第12話(改2.7)<傷んだ制服とつむじ風>
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ホッとした。小さな石鹸と、かみそりまで準備してあった。
(これは助かる。やっぱり、あの鳳翔さんが準備したのだろうか)
私は早速、手や腕を洗って洗顔をした。タオルで顔を拭くと真っ黒になった。
「ほぁ」
そう言いながら鏡を見る。サッパリした自分の顔があった。
執務室に戻ると書類に目を通していた祥高さんが顔を上げた。
開いた窓からは、海風が通り抜けた。
「食堂へ行かれますか?」
「そうだね」
書類を机に置いた彼女が立ち上がろうとしたとき、いきなり執務室の扉が大きく開いた。
「おーい、電報だよー!」
ウサギのような髪飾りをつけた艦娘が勢いよく飛び込んできた。私は唖然とした。
(これも艦娘なのか?)
やたら露出している服だ。これまで、いろんな艦娘を見てきたが、こんな子は初めてだ。目のやり場に困った。
祥高さんが何か言いかけるとウサギ少女は私に気づいて「あっ」と言った。
「あなたが新しい提督ね、よろしくぅ」
ウサギ少女は少しオーバーではあるが平然とした表情のまま、こちらに向かって敬礼をした。
改めて気付いたが彼女の足元には子犬のようなような連装砲がチョロチョロと3基ほど走り回っていた。
「そうそう、これこれ」
そして私や祥高さんに向かって「ホイ」と言って電報を投げ渡した。
「じゃあね。もう、おっ昼だよぉ」
彼女は90度ターンをすると執務室の扉から、つむじ風のように廊下へと走り去って行った。
「……」
私たちは呆気に取られていた。美保湾の海風どころの比ではない。まるで竜巻だ。
祥高さんは電報を確認しながら詫びた。
「失礼しました司令官。悪気は無いんですが、あの子が海軍で一番足の速い駆逐艦『島風』です」
それは聞いたことがある。
「まるで競争の選手だな」
私は笑った。こんな小さな鎮守府でも、いろんな艦娘が居るようだ。
「美保鎮守府か」
不安もあったけど艦娘たちを見ているうちに少し楽しみに思う気持ちも出てきた。
「住めば都かな」
以下魔除け
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