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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十話 イゼルローン要塞に向けて出立します。
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短い穏やかな曲を演奏してくださるのです。お客様の邪魔をせぬように時々ですが、それがまた良いと聞きに来る方々が多いのですわ。あいにくと演奏は不定期でして私でも滅多に聞くことはかなわないのです。」
ヒルダが説明した。
「あなたはピアノを弾いたりはするの?」
ティアナが尋ねた。
「いいえ、私はそう言ったことに興味がなくて・・・父にもよく言われましたけれど。」
「野山を駆け巡って馬に乗って、か。あなたは自然と共に歩いてきたのね。羨ましいわ。私も機械いじりは好きだけれど、いつもいつも周りは金属ばかり。たまには野山にでて思いっきりリフレッシュしたい気分になるもの。」
「森林浴なんか素敵よね。」
フィオーナも声を合わせる。
「でしたらお二人ともマリーンドルフの領地に遊びにいらっしゃいませんか?あそこにはうってつけの森林がありますし、今の時分はとても気候が穏やかで良い風が吹くのです。」
その時、ウェイトレスが3人分のケーキと飲み物を持ってきたので、話はいったん中断した。そして、
「これ、とても美味しいわ!」
「ええ!私も帝都で5指に入る美味しさだと思っているのですわ。」
「今度三人でスイーツ巡りしない?」
等という女子会さながらの会話が続いたのだった。その意味ではイルーナが企画したこの会談は成功だったと言えるだろう。
 いささか杞憂だったかしらね。ちらっとそんな思いを脳裏にめぐらしながらティアナは美味しいケーキと楽しい会話へと思考を没頭させた。


* * * * *
イゼルローン方面に大部隊を増援したことについて、イルーナ・フォン・ヴァンクラフト上級大将はいささかの迷いも抱いていなかった。これについてはさすがのアレーナでさえもイルーナに質問したことがある。
「イゼルローン方面に帝国の双璧、そしてあなたの教え子の双璧を送り込んでいいの?ちょっと戦力が過剰じゃない?もしもフェザーン回廊から同盟が大挙して押し込んで来たらどうするの?」
この問いかけに対して、
「あなたの情報網によれば敵の一翼にヤン・ウェンリーがいる。同盟軍数個艦隊ならばこれほどの規模の派遣はしないけれど、ヤン・ウェンリー一人に対しては私は最大限の手当てを行ってしかるべきだと思うわ。一方で、フェザーン回廊から自由惑星同盟が攻め込んでくるのなら、ラインハルト、若しくは私が迎撃の指揮を執る予定よ。その際には同盟を完膚なきまでに殲滅することになるわね。イゼルローン方面に関しては敵の攻勢を支えるだけでいいわ。だからこそフィオーナを派遣したの。負けない戦いをすることにかけてはあの子以上の手腕を発揮できる将官はそうはいないわ。彼女の婚約者を除いては。」
「え!?」
「ごめんなさい。何でもないわ。」
笑いに紛らわしながらイルーナが優雅に手を振った。
もっとも、とイルーナは後に保
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