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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十話 イゼルローン要塞に向けて出立します。
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、才気がにじみ出すぎないように用心しなさい。」
「・・・・・・?」
ヒルダは形の良い眉をわずかに動かした。
「あなたの才幹と器量を高く評価する人の下ではあなたは持てる翼をすべて広げて飛翔できるでしょう。けれど、残念ながらすべての人がそうではないわ。嫉妬、羨望・・・そういった眼差しに耐える自信がなければ、あなたも自らの翼を隠そうとする努力は必要になる、という事よ。」
「お言葉ですがヴァンクラフト上級大将閣下、私はラインハルト・フォン・ローエングラム公の秘書官であり、あの方の下ではそのような心配をする必要はないと思います。」
後に、原作では皇后としてラインハルトを支え、また、それ以前にも秘書官として政戦両面で支えたヒルダもこの時はまだ若かった。自身の才幹と器量を試したいという思いでいっぱいだったのである。
「そう・・・・。」
イルーナは一瞬やや愁いを帯びた顔になったが、不意に立ち上がった。顔には元の穏やかな表情が戻っている。
「今日はあなたとお会いできてとても有意義だったわ。これからもローエングラム公のことを、よろしくお願いするわね。」
「はい。こちらこそ、よろしくお願いいたします。」
ヒルダは一礼し、イルーナ・フォン・ヴァンクラフトもまた頭を下げ、両者はわかれたのだった。
* * * * *
ふと視線をロビーに移したヒルダの視界にこちらに歩みよってくる二人の人間の姿が写った。
「失礼します。」
正面に佇んだフィオーナが礼儀正しくお辞儀をした。午後の陽光に一瞬銀の刺繍がきらめく。帝国軍の女性士官の制服は約2年前から新様式に女性らしくアレンジされてローエングラム王朝にあるような綺麗な銀の刺繍が施された上衣とスカートになっている。
「少し遅くなってしまって・・・申しわけありません。」
「いいえ、エリーセル様、ローメルド様、私もつい先ほどついたばかりですわ。」
ヒルダは立ち上がって頭を下げた。ほどなくしてソファーに座った3人の前にウェイトレスが現れて注文を聞きに来た。
「ここの紅茶とケーキは絶品ですのよ。」
心持ヒルダが顔をほころばせてそう言った。そういえばこのホテルを指定したのもヒルダだったから、彼女は時たまここにきてお茶をたしなんでいるのかもしれない。そういうところは年相応の女の子なのだなと、フィオーナは少しヒルダに親近感を覚えていた。
「飲み物はアールグレイ、ミルクもレモンもなしでシフォンケーキのセットお願いします。」
「私はチーズケーキ、飲み物はブラックコーヒーでお願いするわ。」
「私はダージリン、レモンを乗せたものを。ケーキはラズベリーパイを。」
と、三者三様の注文が終わり、ウェイトレスが引き下がったところで、グランドピアノが鳴りだした。いつの間にか演奏者が座ってピアノを弾き始めている。
「時たまああやって
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