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第八十話 イゼルローン要塞に向けて出立します。
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らしい趣味は持たず、野山を駆け巡って自然と接するのが好きだとのことだ。が、このような情報はあまり有益にはならんか。」
ロイエンタールは苦笑いして首を振った。
「ううん、参考になったわ。ありがとう。」
ティアナの言葉に顔を上げたロイエンタールは今度は真剣な顔で、
「あまり、肩ひじを張るなよ。最初からそうでは、たとえお前に対して悪意がない相手だとしても、不穏なものを持たずにはいられないだろうからな。気を付けろ。」
うん、とティアナはうなずいた。まだ奥歯にものの引っかかったようなうなずき方であったが、少なくともヒルダに会う決心はついたようだとロイエンタールは思った。



 そのフロイライン・マリーンドルフとフィオーナ、ティアナが会うことになったのは、オーディン市内にあるホテル・エルミタージュの1Fロビーだった。
 フィオーナとティアナは駐車場に車を止め、ホテルのロビーに入った。昼下がりであったが、午後のお茶を楽しもうという人々で込み合っている。が、ロビー自体が広いのと、ここが上流のホテルのため、ほとんどストレスが感じないくらい静かだった。一面に分厚いじゅうたんが敷かれてあるのも、一役買っているのかもしれない。ロビー席の中央にはグランドピアノが置かれていた。
「これだけ広いと、探すのが大変ね。」
ティアナが言った。
「大丈夫よ。席は決まっているわ。ほら、あそこの窓際ね。」
フィオーナが示した先には外のテラス窓から温かい午後の陽光を受けている一角があり、ふかふかのソファが据え付けられてあった。そのソファに、こちらに横顔を向けて座っている一人の女性がいた。遠目からでも中性的ながら美しい顔立ちだということは一目でわかる。服装はスカーフを除けば男装と変わりなかったが、それでもその容貌は際立っていた。


 フロイライン・マリーンドルフは華奢な手を組み、じっと午後の陽ざしを受け風に揺れるテラスの草花を見ていた。
(フロイレイン・フィオーナ大将とフロイレイン・ティアナ中将。いったいどんな方なのかしら。この前お会いしたフロイレイン・イルーナ上級大将の後輩だというけれど。)
 ヒルダはその時の会見の様子を思い起こしていた。

* * * * *
「あなたは聡明で落ち着きのある方だわね、フロイライン・マリーンドルフ。」
イルーナ・フォン・ヴァンクラフト上級大将はそう評した。両者は2時間にわたり、最近の動向、政治経済、軍事に至るまで様々な話題を提供しあい、論評しあった。当初イルーナは敬語だったが、ほどなくしてその垣根を取り去ってしまうほど二人は率直に話すことができたのである。もっともヒルダの方は自分よりも年長の女性に対して話すので敬語のスタンスは変えなかったが。
「けれど、一つだけ注意しておくわ。あなたの率直な物言いは賞賛に値するけれど
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