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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十話 イゼルローン要塞に向けて出立します。
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。」
と、二人の元教官はそう言ったのである。
この話を受けた時、二人はやや唐突ではないかと思った。そう思った要因の一つには先日の事件が尾を引いていたからかもしれない。
あのベーネミュンデ侯爵夫人一派の処刑は二人に衝撃をもたらしていた。二人に何の相談もなく、あっという間の処断である。正しくはベーネミュンデ侯爵夫人の行動を教官たちが阻止したという事であるのだが、なぜそのことを教えてくれなかったのか。二人はその思いを二人きりの時だけには口に出せずにはいられなかった。
特にフィオーナはそれを聞いてみたい気持ちを抑えきれなかった。前世から教官は自分に対して壁を作ることなく接してきていたからである。それがここにきて突然の相談なしの行動だった。二人の間に、にわかに壁がせりあがってきたようで、もどかしい気持ちを持ったことは事実である。
結局のところ、彼女たちはそれについて教官に尋ねることはどうこうなかった。自分たちに話してくれなかったということはそれなりの考えがあってことだと思っていたし、話してくれていたところでどうすることもできなかっただろう。
だが、フィオーナにとって更なる驚きだったのは、この話を受けて二人きりになった時の親友の言葉だった。
「私はいかない方がいいかもしれないわ。」
ティアナはそう言ったのである。
「どうして?」
いつにない親友の発言にフィオーナはおどろいた。
「だって、私はこの通りの性分だし、思ったことを正直に話すタイプだもの。その、ヒルダさんって、ちょっと繊細そうだし。」
「そんなことはないわよ。聡明な人だもの。それにこの時代において貴族令嬢ではなく秘書官としてラインハルトの下に就いていた人なのよ。並大抵の胆力じゃ務まらないわ。」
「そうね〜・・・・。」
親友はそれ以上言わずに黙ってしまったが、フィオーナはティアナの態度に何か引っかかるものを覚えていた。
車を回してくるわね、とティアナは言い、フィオーナの部屋を出ていった。半ばプライベートのため、ティアナは日ごろ運転しているラウディ7000を久々に自宅から引っ張り出して乗ることにしたのである。
扉を閉めたティアナは、隣の壁にもたれかかってと息を吐いた。たまたま廊下を通りかかっていたヴァリエ・ル・シャリエ・フォン・エルマーシュ予備役中将がそれを聞きとがめた。胸元に書類を抱えている。彼女の私設艦隊が近い将来に正式にローエングラム元帥府の麾下に配属となることが決まったため、フィオーナに決済をもらうべく、書類を持参していたのである。
「どうかしたの?」
「ううん、何でもないわ。」
「ウソを言わない方がいいわ。あなたらしくないため息交じりの声だもの。」
ティアナはあたりを見まわした。近くに面接などに使うブースがあったので、ヴァリエを誘って席に着かせた。このブースの
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