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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第八十話 イゼルローン要塞に向けて出立します。
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度重なる言葉に、
「ではどうすればよいというのか?」
ブラウンシュヴァイク公爵が半ば不機嫌そうに半ば意外そうに尋ねる。
意外――。その言葉はまさに今の状況下のベルンシュタイン中将に当てはまることであった。
ベルンシュタイン中将の今までの印象は、ただ黙って叱責を耐え、無口ですらあり、自分の考えを積極的に言う事がない、というものである。それがここにきて自らの考えを積極的に述べ始めたばかりか、こちらの威圧をものともしなくなった。公爵は少し不気味さすら感じていた。
「リッテンハイム侯同様の処置を致すべきでしょう。」
リッテンハイム侯のことはブラウンシュヴァイク公の棘となって未だ心に残っていることをベルンシュタイン中将は知らない。知らないがゆえにリッテンハイム侯を「ダシ」にして話し続けている。
「私が危惧しておりますのは、公、あなたの勢力をあのローエングラム伯が乗っ取ってしまうことです。そこで、未だ芽であるうちにこれを摘み取ってしまうにしかるべきであると考えます。」
もう、自らの考えを封じ、本心を韜晦し続けるのはやめにしたのである。これまでそうしてきた結果はベルンシュタイン中将にとって芳しくないものであった。あのリッテンハイム星系会戦においてフィオーナ艦隊を囮にすべく作戦をフレーゲル男爵に打ち明けた際にも、自分は表立って姿を現そうとしなかった。作戦は失敗に終わったが、あれはあのようなやり方でしかできなかったための結果だと思っている。仮に自分が表立って作戦を主導していればフィオーナ艦隊を確実に葬り去っていたとひそかに自負している。
ラインハルト一派を今度こそ滅ぼしつくす。
ベルンシュタイン中将はそう決意を新たにに次なる作戦に取り掛かっていたのだった。
「ベルンシュタイン中将、卿は何を考えているのだ?」
公爵はそう言ったが「卿の行きつくところはいったいどこにあるのだ?」と聞いている風でもあった。
ベルンシュタイン中将は左右を見まわし「失礼をお許しください。」と断ったのち、ブラウンシュヴァイク公爵の耳に口を寄せて話し始めた。失礼極まりない態度であるが、その話の内容を聞くブラウンシュヴァイク公爵の顔には驚愕の色がうかび始めていた。
* * * * *
イゼルローン要塞に向けてフィオーナ以下の増援派遣が決まったことは既に述べた。
それに先立って、フィオーナはティアナと共に、フロイライン・マリーンドルフに初めて対面することとなった。既にイルーナ・フォン・ヴァンクラフトは参謀総長として彼女との対談を済ませていたが、その「教官」からフロイライン・マリーンドルフに一度会ってみるようにと話があったのだ。
「出立まで時間がなくて慌ただしいことは承知しているわ。けれど、この話合いはあなたたちにとっては不利益なものではないはずよ
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