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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
困ったチャン騒動記(4)
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レッケンドルフらが困惑したような表情をしている。この時期に結婚式など何を考えている。妻の美しさにとち狂ったか、そう言いたそうな表情だ。

「もちろん本心だ。戦争は終わったのだ、人が人を殺す時代は終わった。これからは人と人が愛し合う時代なのだ。それを端的に表すのが結婚式だろう。俺とエーリカは入籍はしたが式は挙げていない。先ずは俺達がそれを示すべきだろう」

出来るだけ威厳を込めて言葉を出した。いかんな、誰も反応しない。失敗か? しかしな、ようやく見つけたエーリカ攻略方法なのだ。何とか実現しないと俺はずっと女断ちだ。いつかエーリカに無言で襲いかねん。

「……なるほど、結婚式ですか……」
「そうだ、ベルゲングリューン」
ベルゲングリューンは頻りに頷いている。そしてオーナーに対して話しかけた。

「残念だが、卿のところで挙式は駄目だ」
「そのような」
「安心しろ、ドレスは卿のところで作ってよい、場所はこちらで用意する」
そう言うとベルゲングリューンは俺に話しかけてきた。

「閣下の御深慮、小官の及ぶところではありません。そういう事であれば国家的行事として大体的に行うべきかと思います」
国家的行事? ベルゲングリューン、卿、何を言っている?

「査閲総監、大体的と言いますとどのように」
「決まっているではないか、ゾンネンフェルス。陛下を初めとして帝国の文武の重臣方に参列していただく」
「陛下にもですか」
ちょっと待て、陛下にも参列? ベルゲングリューン、ちょっと待て。

「そうだ、そして旧同盟政府の政治家達や財界人にも参列してもらう。先日のパーティで分かったが彼らは帝国上層部と話したがっている。それが彼らのステータスにも繋がるからな」
「なるほど」
頷くなレッケンドルフ、お前ら何を考えている。

「べ、ベルゲングリューン、そうあまり意気込まなくても……」
「閣下、これは中途半端にやったのでは効果が有りません。やるからには最大限の効果を引き出すべきです」
「そ、そうか」
いかん、ベルゲングリューンの目が座っている。こいつこんな奴だったか……。

「そうなりますと参加者の数は何千、いや何万と言う規模になりますが」
レッケンドルフが首を傾げている。そうだ、そんな人数を収容する場所は無い、諦めろベルゲングリューン。俺はエーリカに告白できれば良いんだ。

「問題ない! ハイネセン記念スタジアムを使えばよい」
“おおっ”という嘆声が上がった。
「閣下、あそこは“スタジアムの虐殺”が有った場所ですぞ、あまり縁起の良い場所では有りませんが」

「分からんかレッケンドルフ。だからこそ、そこを使うのだ。かつての忌まわしい惨劇を平和の到来を喜ぶ結婚式で拭い去る。かつての同盟で起きた惨劇を総督閣下の結婚式で拭い去
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