第一話『リベンジャーズ・プロローグ』
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の魔術師共め!こんな欠陥品を俺の体に植え付けるとは……!」
「――は?」
……最高級品の、魔術回路?
「秀山様、最高級品の魔術回路とは……どういう、ことですか」
「どうもこうもあるか!貴様の家の魔術師共が歴代最高の魔術回路の用意があるからと、その移植を申し出てみればこのザマだ!天才の魔術回路だと……?馬鹿にするのも大概にしろ……!」
天才。
歴代最高の魔術回路。
その、移植。
――ぁ?
魔術回路は、魔術師の命だ。さらに言えば、体内魔力と直結する筈の魔術回路を、移植だと?
そんな事をすれば、移植される側は兎も角、移植する側が無事で済む筈がない。生命の源を丸ごと断ち切るようなものだ。一般人にとっては元々無いものなのだから影響は無いのだろうが、普段から魔術回路を行使する魔術師が魔術回路を失うなど、それは、生命の頓挫に等しい。
そして現在、天才と呼ばれているような魔術師は、歪の家には一人しか居ない。
手を出すなと念入りに言っていた筈の、妹しか。
「……ばか、な」
自然と、声が漏れる。その事実を受け止めるための余裕が、今この身には存在しない。
あの契約はなんだったのだ、嘘だったのか?騙したのか?ああ、確かに可能性としては有り得る話だったさ。だからこそ先んじてその契約を結んだのだ。なのに、それを無視して、妹を殺したというのか?
魔術回路の移植自体は、近年の魔術師に於いて珍しい話ではない。性交により互いの魔力にパスを繋ぎ、限りなく抵抗を薄め、その後相手の魔術回路を本来の魔術回路に接続する。それにより魔術回路の本数そのものを増加させ、更に質の良い魔術回路をその身に宿す事で、魔術師としてより高みに到達する――その理屈は、把握している。
つまり、この男は。歪の家は。
――妹の純潔を奪い去った挙句、その命すら奪っていったと言うのか。
「…………っ、おま、えぇぇぇぇッ!!」
「なっ!?ぐ、突然なんだ、この落ちこぼれがっ!」
明確なる殺意を胸に、駆け出す。しかし頭上から不可視の槍が降り注ぎ、全身に鋭い痛みが走った。堪らず胃液を吐き出し、己が傷により血溜まりと化した床へ無様に倒れ伏す。立ち上がるために地面を押すも、未だ不可視の槍は全身を大地に縫い付けていた。なんたる屈辱か、なんたる憤怒か。
「殺して、やる……っ!殺す……!死ね……ッ!よくも……朱音を……っ!」
「黙れッ!汚らわしい魔術師モドキが!貴様はただの魔力タンク代わりなのだ、ただ黙ってなけなしの魔力を絞り出していれば良いというのに……!」
全身を貫く槍を少しずつ引き千切り、目の前の男を殺す為だけに命を賭す。いや、それでも足りな
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