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異伝 銀河英雄伝説〜新たなる潮流(ヴァレンシュタイン伝)
困ったチャン騒動記(2)
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ら打ちひしがれていた。ミッターマイヤー、俺は卿と奥方がままごとのような夫婦生活を送っているのだと思っていた。だから子供も出来ないのだろうと。

だが違った、下着の事といい、入浴の事といい卿は俺などよりはるかに豊かな性生活を営んできたようだ。おまけに着せ替え人形ごっこ。俺など卿に比べれば数をこなしただけではないか。いや、それより拙い事が有る。フェザーンでは明日には俺がエーリカと一緒に風呂に入っているという噂が立つだろう。どうしたものか……。

次の日職場に行くとベルゲングリューンが新領土での世論調査を持ってきた。
「新領土の住民たちは概ね帝国の統治に対して様子見といった模様です」
「始まったばかりだ、仕方あるまいな。これから徐々に信頼度を上げていけばいい」

「ところで閣下に対する好感度ですが……」
「言わなくていい。どうせ碌なものではあるまい」
例の一件以来、新領土での俺に対する評価は困ったチャンと変態だ。

「それがそうでも有りません」
「?」
「閣下の行動はとても理解できると、好感度は上昇しています」
「……」

評価は困ったチャンと変態だが、行動は理解できるか。人間という生き物は本当によく分からん。
「それと例の店ですが最近売れ行きが良いそうです。総督夫人御用達の店として特に紐が売れているとか」
「そうか」

どうせ何処かの馬鹿女が勝負パンツだ等と言って買っているのだろう、愚か者が。俺はあの勝負パンツというものほど無意味なものは無いと思っている。相手の好みも無視して何が勝負パンツなのだ。自己満足なだけではないか。男と女の真の勝負パンツとはノーパンだ! これこそがオスカー・フォン・ロイエンタールが得た真理だ。

「フラウ・ロイエンタールは人気が有りますからな。おかげで我々も随分と助かっています」
確かに助かっている。新領土総督府の広報関係はあの女のポスターを結構使っているが、貼るたびに盗まれると聞いているし、記者会見も重要なものはあの女に任せている。大体において好意的に受け取ってもらっているようだ。俺がやると反感を買うだけだろう。

「ところで来週の二十五日ですが、財界が主催の親睦パーティが開かれます。旧同盟政府、軍部の重要人物が招待されるそうです。閣下にも招待状が来ておりますがいかがしますか?」

親睦パーティか。詰まらんな、着飾った女どもと脂ぎった親父どもの相手などうんざりする。断るか、ベルゲングリューンを代理で出せば良いだろう。俺の顔色を読み取ったのだろう、ベルゲングリューンが断ることにしますと言った。

「皆、残念がりますね」
「どういうことだ、ベルゲングリューン」
「フラウ・ロイエンタールに会いたいという方が多いのですよ。しかし、閣下が出席されない以上、奥様が出席される事は有りませ
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