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To Heart 赤い目
来栖川当主
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うとする坂下。
「それから…」
 ビクッ!
 思い出してはいけない記憶を呼び覚まされそうになり、全身の毛穴を逆立てるように驚いていた。
「なっ、何だっ! 何を言いたいっ!」 
 再び戦闘態勢に入り、浩之が変な事を言えば一撃で倒せるよう、力を込める坂下。
「琴音ちゃんが工事用のデカいロボットを隠しててな、綾香が…」
「倒したのか?」
 その後の話を考える浩之、まさか綾香が重機を倒したとも言えず、考えを巡らせる。
「いや、相手をしている間に、俺がキーを抜いた」
 浩之も我ながら適切なジョークだと思えた。
「そうか、如何に綾香と言えど、鋼鉄の機械には勝てなかったか、ははっ」
 何とか乾いた笑いで、自分を説得する坂下。
「でも」
 ビクッ!!
 葵の問いかけに引きつる二人。
「姫川さんはどうなったんですか? 確か綾香さんですら近付けなかったんですよね?」
「そ、そうだな、あいつもロボットとやり合って疲れてたしな… そうか、お前が」
「えっ?」
 意外そうな顔をする葵をからかうように、坂下が続ける。
「抱き締めて、こう… 接吻でもしたのだろう(ポッ)」
「そうなんですかっ? 先輩っ!」
「いや、俺じゃなくて」
 正直に答えられず、つい否定してしまう浩之。
「じゃあ、まさか、あの……」
 どうしても、その人の名前が口にできない葵と坂下。
「て、テレキ…ネシスが… お、お友……」
 変な単語まで思い出しそうになり、ガクガク震えている坂下。

「いや、琴音ちゃんの力は先輩には通じなかったんだ、そう…」
「ま… 魔物……」
「いや、魔法みたいだったな、先輩が手をこうやると、琴音ちゃんが転がって」
 テレビに出て来る、気功師のようなポーズを取りながら説明する浩之。
「そっ! そうか、さすが綾香の姉さん、あの人が気功を使うとは、さすがに血は争えんと言う所だな、はははっ」
「すっ、凄いですっ」
 しかし、どうしても芹香の名前を口にしたり、気功を教えて貰おうとは言えない二人。

 脳が筋肉の人達には、何とか分かりやすく解説できた所で、芹香のリムジンがやって来た。
「「いやああああっっ!」」
 リムジンを見て何かを思い出したのか、泣きながらダッシュで逃げて行く二人。
「おい…」
 引き止める間も無く、来栖川病院?の端まで突っ走り、物陰から観察している二人。 そこで背後に巨大な影が現れ、玄関の照明を遮った。
「藤田様」
「うわっ! せ、セバスチャンじゃないか、あ〜びっくりした」
 後ろから声を掛けられ、心臓が飛び出しそうになる浩之だが、いつもの声を聞かされる。
「え? 「お二人はお祖父様と会って頂きます」だって?」
 コクコク
 芹香のリムジンに同乗していた琴音。綾香以下数名を襲撃、工場の機械や
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