赤い目
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之に会いに行く代償に、声が出なくなるとか、思いが遂げられなかった時は泡になって消えてしまうような魔法かも知れない。
「え?「マルチはきっと貴方のいる場所に現れるので、周りを監視させて頂いてよろしいですか」だって?」
コクコク
「ああ、俺はいいよ、何なら先輩に監視してて欲しいな」
ポッ
顔を赤らめ、下を向いてしまう芹香。
(うっ、かわいいっ)
「あーーっ! 何朝から女の子口説いてんのよ、あんたはっ!」
ガスッ!
背後からの志保の攻撃を防ぎながら、芹香の言葉だけは聞き続ける。
「え?「私は口説かれていたのですか?」って先輩」
ポッ!
さらに赤くなって下を向く芹香。
「まだやるかっ! それにこの人、来栖川のお嬢様じゃないのっ! 何身分違いな事してんのよっ!」
志保の言葉を聞いて、シュンとしてしまう芹香。
「このバカ野郎、先輩が大人しくなっちまったじゃないか、謝れっ!」
どの状況を大人しいと言うのか不明だったが、浩之的に今の芹香は大人しく見えるらしい。
「イーー! だっ」
浩之に向かって歯をむき出し、嫌な顔をする志保を見て、まるでス*ィーブンセガールのように後ろを取り、首を真後ろに捻ってやる。
ボキュッ!
「ぐはっ!」
志保は浩之の朝の挨拶で、一瞬にして絶命… もとい、大人しくなった。
「なっ、何すんのよっ! 痛いわねえ」
ギャグキャラなので、例え首が回転しても死なない志保。
「すいません先輩、このやかましいのは、俺の幼馴染で志保って言うんですよ。 悪気は無いらしいんですけど、昔からこの調子で、誰からも嫌われる奴なんです、ぜひ嫌ってやって下さい」
「何よっ!こんな時は「仲良くしてやって下さい」が普通でしょ」
「おまえは普通じゃないから、それでいいんだっ」
ギャー! ギャーギャー!
二人が争っている間、芹香がポツリとつぶやいた。
「え?「お二人共、とても仲がよろしいのですね」だって? そんな、こいつとは昔から会うと喧嘩ばかりで」
(チッ! 18禁パートでも、ボツ絵に立ち絵の顔だけ貼り付けたみたいな「アイコラ写真」程度の扱いだったくせに、お前なんか顔と体のサイズすら合わせて貰えなかったんだよ)
とても失礼な事を考えていると、その思いは志保にも伝わった。
(フンッ! アニメでやっと顔が出たと思ったら、ヌボーーっとしたオッサンだったくせに。 恋愛ドラマって顔じゃないのよ、大食い大会でも出てなさいっつーのっ!)
キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン、キ〜ンコ〜ンカ〜ンコ〜ン
不毛な争いをしているうちに、始業の鐘が鳴り、やがて下らない授業も終わった。
放課後…
「はっ! はっ! はっ!」
神社の境内で鍛錬する葵。 いつの間にか、エクストリーム同好会のメンバーは少
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