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世界をめぐる、銀白の翼
第二章 Lost Heros
銀白VS純白&謳者
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ての落ち着きはらったものとは違い、黒眼はなく、その表情が激怒のものへと豹変してしまっていた。

そのムツミを、蒔風が両手でその衝撃を受け止めながら、苦しそうにではあるが呟く。



「これは・・・・なるほど・・・・「その人格」の人物には・・・翼人の素質があったようだな・・・・だが・・・・」



バァン!!!



「翼人が転生したところで、翼人になれるわけではない!!!」



ムツミの拳と、蒔風の両手の間で生じていた衝撃が破裂するように吹き飛び、両者を吹き飛ばす。

大きな木に背中を打ちつけるムツミ。
だが、その脇腹にドッ、と短剣が突き刺さって、身体がぐらりと揺れ、カードへと変わってしまった。


その反対側では蒔風が息を切らしながら膝立ちになり、短剣を投げたままの姿になっていた。




観鈴はすでに吹き飛ばされていってしまっている。
あの無数の剣の雨から皆を守ろうとしたのだが、その物量の多さに押し負け、弾き飛ばされていってしまった。

往人はその彼女を守ろうとして飛び付き抱きしめたが、その勢いの強さに一緒になって飛んで行ってしまったのだ。






「ハァ・・・・ハァ・・・・ハァ・・・・・やっ・・・・た・・・・・」






そこまで言って、ドサリと倒れ込む蒔風。
意識が遠のく。そうして、最後に見たのは一人の少女の姿だった。





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「ッッ!!!??」


それからいくら貸して、蒔風が目を覚ます。
飛び跳ねるように上体を起こし、痛みにすぐに蹲る。



「目を・・・・覚ましましたか」

「!!!!!・・・・・・エルルゥ・・・・」


声に振り返ると、そこにはエルルゥがいた。
蒔風が自分の体をよく見ると、簡単にではあるものの包帯が巻かれている。


そのエルルゥに、蒔風が膝立ちになって剣を向けた。


「お前・・・・オレが何だかわかってんのか?」

「はい」

「敵だぞ!!!」

「ですが、怪我人です」



「な・・・・・・!?」



エルルゥは言う。
確かに、あなたは敵だ。自分の大切な人を消したし、今までだって何人も。


でも、それでも自分は薬師なのだ。
怪我人を治すのが自分の役目だ。

それは敵であろうと、変わらない。



「ダメだ・・・・ダメなんだよ!!!!オレは・・・・・」


そのエルルゥに、蒔風が首を振り、剣が揺れる。



「私は、あなたを許しません」

「え?」

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