第二章 Lost Heros
逃走の銀白
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〜ぉ逃がさねェからな!!」
「うまく釣れたみたいだね」
怪我はあらかた治っても、あくまでも表面上だけだ。
体力までは戻っていない蒔風は、キンタロスの拘束を解くことができずもがくばかりだ。
と、そこに理樹と応龍が追いつき、階段から裕理とましろも合流したディエンドと一緒に上がってきた。
「もう逃げられないよ、舜。カードを出して、今までの事を全部話してもらうから!!!」
これだけの状況で、理樹が宣告する。
大人しく掴まれ、と。
だが、蒔風の目はいまだ鋭く、諦めた様子がない。
「理樹・・・・」
「・・・・舜、一体何があったんだ・・・・戦いたいっていうなら、模擬戦をすればいいじゃないか!!!どうしてこんな・・・・」
「ものの見方が甘いな、理樹。強者は時に、その程度では満足しないものだ」
「な・・・・・」
「あと・・・・・やはり悲しいな。いくら翼人でも、まだ学生、か」
「え?」
「フンッ!!!!」
「がっ!?」
ゴキッ!!と
蒔風が踵を思い切り、キンタロスの足の甲に叩きつけて踏み抜く。
人体の急所はイマジンにも有効なのか、あまりの痛みにキンタロスの腕が緩み、蒔風が跳躍、更にその頭を踏みつけて宙返りする。
蒔風の視界が逆さになるが、その瞬間に蒔風が両手に銃を持ち、全員を狙って発砲する。
咄嗟ながらもその攻撃は全員防ぐ事が出来たが、蒔風を完全に逃がしてしまう事になる。
「くっ・・・舜は!?」
「逃げ・・・・」
ボコッ、ゴキッ!!!!
逃げやがった。
そう言おうとした応龍の口が、その途中で開かれたまま止まる。
見ると、背中から胸に掛けて蒔風の腕が貫通しており、彼がそれを自覚するよりも早くカードへと消え、その隣で首を折られた鵺も消える。
「ッッ!!!舜ッッ!!!!!!」
「今度こそ逃げる、か」
ダンッッ!!!という凄まじい足音を残し、蒔風がその場から逃げる。
その踏み込みは、デンライナー全体を揺らして脱線させかねないほどに強かった。
その跡を追おうと、理樹が一人開翼して飛び出すが、逃げ際に蒔風が獄炎弾を放つ。
それを見た理樹は咄嗟にそれをバリアで防ぎ、皆を守る。
だが、その獄炎弾が消える頃には、すでに蒔風の姿は冬木の夜空には居なかった。
to be continued
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