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宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 6
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務に望めば良いのか。それは個々人で判断せねばならないだろう。だから、先にオレが何のためにこのヤマト計画に臨んでいるかを話しておこう。オレは飛行機乗りだ。空を、綺麗な空を飛ぶのが大好きだった。今はそれも出来ないのは諸君も知っての通りだ。オレは、あの綺麗な空を取り戻したい。地下での生活しか知らない餓鬼共にあの空を見せてやりたい。その為にオレはこのヤマト計画に臨んでいる。諸君は、諸君だけの答えを出せ」






オレのファルコンの修理が完了したと報告を受けて第1格納庫に置かせて貰っているファルコンの調整を行っている時に艦橋から通信が入った。

『副長、大変です!!山本さんがディッツ少尉と共に発艦しました!!』

「なんだと!?瀬川君はどうした」

『山本さんに襲われたみたいで、現在医務室で手当を受けています』

「ちっ、止めに出る。航空隊をスタンバイさせておけ!!それから二人の位置をこっちに送れ」

『了解』

メットを取りに走る間に発艦準備を整えさせる。

「副長、爆装したままじゃ追いつけませんよ!!」

「こいつはこいつで使いようがあるんだよ。出すぞ、離れてろ」

機体がカタパルトにまで引き出される間にミサイルの信管を切っておく。曲芸は久しぶりで不謹慎だが楽しみでもある。

「サーカス1、出るぞ!!」

カタパルトに押し出されてレーダーが指し示す方向に全速で飛ばす。それに加えて、増設ラックに懸架したままミサイルの起動させて、その推進力を加算させる。強力なGに押しつぶされながら、アステロイドの隙間を潜り抜けながら短距離通信を全周囲通信帯で繋げる。

「山本、今すぐ戻れ!!」

『もう追いつかれ、何あれ!?』

『正気か!?あれではパイロットが保たないぞ!!』

「鍛えか、たが違、うんだよ!!」

必死に操縦桿を操作し、アステロイドを抜けた所でミサイルの推進剤が切れたのでパージする。加速は十分に乗っているので、そのまま2機の間に機体を滑りこませる。

「誰の許可を得てこんなことをしてやがる、山本!!」

『あんな放送を聞かされて、上の一部の所為でガミラスと戦争になって、その所為で兄さんを失ったなんて、そんなの信じたくない!!』

「だろうな!!オレだって最初は信じたくなかったよ!!この事実を知った奴らは皆そうだ!!だけどな、今お前がやろうとしているのはただの八つ当たりだ!!それを分かっているのか!!」

『それでも私にはこれしか、兄さんの仇を討つしかないのよ!!』

「そんなこと、妹馬鹿の明生が望むわけないだろうが!!」

『えっ、兄さん』

操縦が疎かになった一瞬の隙を突き、急制動をかけて翼を機体外部にある緊急用排席装置に引っ掛けて、山本を機外に放り出す。
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