暁 〜小説投稿サイト〜
ユキアンのネタ倉庫
宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 6
[9/11]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
ッツ少尉の言った言葉に悩まされているだろう。開戦のきっかけはガミラスからによる先制攻撃、それが地球防衛軍の公式見解とされている。だが、これは真実とは異なる。私はガミラスとのファーストコンタクトの際、司令としてあの場にいた。コンタクトは慎重にと命令を受けて我々は出撃した。だが接触直前、司令部から先制攻撃の命令が降りた。私は、再考を要請したが芹沢参謀に司令職を解任された。そして、芹沢参謀はむらさめに通信を入れた。同じ内容だろう」

「……嘘だ。そんなこと信じるものか!!アンタ達は親父を貶めて何が楽しいっていうんだ!!」

「島、落ち着け」

「うるさい!!副長にオレの気持ちなんか分かるものか!!」

「分からんな。オレはお前じゃない」

島君がオレに殴りかかってくるので、素直に殴られてやる。そして、胸ぐらを掴んで思いっきり殴り返す。床に倒れ込む島に向かって言い放つ。

「お前にオレの気持ちが分かるか、島。爺さんも親父も母さんも妻も、同じ戦場に立ち、目の前で死んでいき、オレ自身も不治の病に侵されるオレの気持ちが!!」

「し、知るか!!」

「そうだ。知れるわけはないし分かるはずもない。その気持は自分自身だけのものだからだ。知れとも分かれとも言わない。だから、相手に分かれなんて言っても無駄だ。だから、オレは事実だけを語っている。山崎さん」

艦長が山崎さんにマイクを渡す。

「皆、聞いて欲しい。自分は応急長の山崎だ。ガミラスとのファーストコンタクトの際に、むらさめに機関長として乗艦していた。艦長の島三佐は、出撃する時からずっと航海長との話をしてくれていた。宇宙人と友達になりに行くんだと。自分達もそれに賛同していた。軍人である前に船乗りであることに誇りを持っていたから。だが、それは、沖田艦長のおっしゃったとおり、芹沢参謀の命令に、いや、脅迫によって覆されてしまった。命令に従わなければ、むらさめの乗員の家族がまともに暮らせると思うなと脅された!!島三佐は、悔しそうに命令を受諾した。軍人である前に船乗りであり、何より親である島三佐を誰も攻めることは出来なかった。あの発砲直前の悔しそうな声と、砲雷長の罵声は今でもはっきりと思い出せる。そこからは公式の発表どおり、自分以外は脱出できず、救出された自分に待っていたのはニ枚の紙だった。一枚はファーストコンタクトに関する全ての事実の口外の禁止、つまりは箝口令の命令書。もう一枚は、通信での脅迫と同じ内容の脅迫文。自分は、口を閉ざすしかなかった。ずっと自分を騙しながら今日まで生き恥をさらしてきました」

最後の方は嗚咽が混じり、聞き取りにくかったが、それでもちゃんと伝わっただろう。マイクを山崎さんからマイクを受け取る。

「この放送を聞き、余計に悩まされているだろう。何のためにこれから任
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ