宇宙戦艦ヤマト2199 元爆撃機乗りの副長 6
[4/11]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
たところで大勢は変えれないだろう」
「うん?ああ、勘違いをしていましたか。副長は対艦専門です」
「対艦?だが、テロンには雷撃や爆撃専門の機体はなかったはずだが」
「無理矢理ラックを増やして積載量ギリギリまで強引に括り付けてるんですよ。ほとんど有人ミサイルですよ。あれではちょっとしたデブリに触れただけで爆散します。それを平気で乗り回している狂人です」
「何故そんなことを?」
「少しでも生き残る確率を増やすためだと聞いたことがありますね。操縦の難しさと速度の低下は腕でカバーできるけど、弾切れだけはどうにもならないからと」
「本当に変わっているな。速度が落ちることは皆嫌がると思うのだが」
「速いのなら速いなりの、遅いなら遅いなりの飛び方があるそうです。飛ぶこと自体が大好きみたいですね。燃料の続く限り太陽が沈む方向に飛び続けて夕日を眺めるのが最高の贅沢だとか言ってましたっけ」
「それは確かに贅沢だろうな。いい趣味でもある」
「ディッツ少尉は何か趣味をお持ちで?」
「趣味といえるようなものはこれと言ってな。だが、私も空を飛ぶことは好きだな。宇宙もいいが、星の上で飛ぶ方が好きだ」
「私は飛ばせないので分かりづらいのですが、何か違いでも?」
「そうだな。感覚で言えば、大気がある分、操縦桿が重いな。天気などで感覚も変わってくる。その時その時に合わせて機体をコントロールするのが楽しいんだ。障害物も少ないしな。宇宙は宇宙で自由度が上がる。障害物は多いが、それを潜り抜けるのが醍醐味とも言えるだろう。そういう貴殿は何か趣味は?」
「私ですか?私はボトルシップ制作が趣味ですね」
「ボトルシップ?」
「まだ我々が星から飛び立てず、空すらも制することができなかった頃、地球は地表の7割が海という水で覆われた星でした。そして、この世の理が少しずつ判明し、技術が発展し、更なる生活圏の拡大に向けて大航海時代と呼ばれる時代、海には帆船がいくつも行き交っていました」
「帆船。確か、風を大きな布で受けて、それを推進機関とする木の船だったか?」
「潮の流れを読んだりもしますが、概ねはその通りです。その帆船の模型を作り、一度解体し、透明な瓶の中にピンセットなどを使ってもう一度組み立て直す。それがボトルシップです」
「瓶の中で組み立てる?よほど大きな瓶なのだな」
「制作過程の動画を見ますか?想像しているものとは全く別物ですよ」
「気になるな。良ければ見せて頂けるか」
携帯端末を操作して制作過程の動画を再生して128倍速にしてからディッツ少尉に端末を渡す。ディッツ少尉は興味深そうに動画を見ている。
「これは、すごいな。ここまでの腕を持つとは、素直に賞賛する」
「ありがとうご
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ