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STARDUST唐eLAMEHAZE
第三部 ZODIAC CRUSADERS
CHAPTER#47
FAREWELL CAUSATIONZ〜Brave Phoenix〜
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【1】



 狂気の詩人が掻き鳴らす七重奏(セプテット)が如く、
装甲で覆われた獅子と甲冑を纏った天使の交戦は続いていた。
 戦闘的優位は明らかに前者のモノであったが後者は新たに目醒めた能力、
その循環作用の総合により両者の力は拮抗していた。
 初合の余りにも一方的な展開、その後の搦手一方の顛末を鑑みれば、
少女がかの “千変” に匹敵する獣と互角に渡り合えているのは
興味深い事象である。
 事実先刻までの奇手の連続も結果的にソラトへ致命的なダメージは与えていない。
 瀬戸際に於けるティリエルの援護を鑑みても、
あのまま彼を仕留める事が出来たかどうかは甚だ疑問の残る所。
 追い詰めれば追い詰める程、手負いになればなるほど、
より強暴に牙を剥くのが獣の本質だからだ。
 加えて真正面からの小細工なき激突こそ最もソラトが得意とする戦形、
至近距離の乱打戦に於いては、
力が技を、勢いがスピードを、本能が理性を圧倒的に上回る。
『――ッ!』
 ソラトは歓喜に奮えていた、己が勢力(チカラ)を存分に揮っても砕ける事のない存在を。
 事実これまで真の姿を現した相手は、
それが一番の強者であっても数分持たずに原型のない残骸と化した。
 相手が弱過ぎれば全力揮う事叶わず、
策を用いらば総力剥き出す事能わず、
つまりソラトは今まで本気で “戦えた” コトがなかった。
 闘争本能は種族を問わず生物の中で最も強いもの、
“愛染自” の真名()の許、その手段が有りながらブツける相手がいない、
これを皮肉と言わず何と云おう?
 ソラトの存在はシャナの裡なる真力(チカラ)を引き出した、
だがソレは(しゅ)する(くびき) ではなく彼が最も望んだモノだったのだ。
『LUAAAAAAAAAAAAAAAAAAAAA――――――――――
――――――――――――――ッッッッッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!』
 鋼の鬣が(わなな) き全身から咆哮を発するような構えで
繰り出された不可視の全拡吼斬波、
B ・ S ・ B(ブルート・ザ・ブリード)
 前方以外の射程にも放つのは回避と伏兵への本能 (備え) である、
前方、以前のシャナなら木偶のように喰らっていた所だろう、
だが今は!
 ギィィィイイッッッッ!!!!
 既に周囲へと振り撒いていた火の粉、先刻までの余塵も相まって
その僅かな変化から斬吼の軌道を算出、
ソラトの予備動作(モーション)がやや大きいのは織り込み済み、
一度身を以て喰らっているため業の属性や強度は充分に明察出来ている。
 通常の状態では直撃を避けるのが精々、しかし “真・灼眼” の在る今なら
防ぐ事は疎か “弾き返す” コトが出来るッ!
『|銀 の
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