暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二十七話 すれ違い
[13/16]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話






アスカside

まだ誰もいない休憩室で、オレはアルトさんを待っていた。

まだ暗いうちからティアナ達が訓練を始めているのを見て、内心穏やかじゃない。

でも、今のティアナには、オレのどんな言葉も届かない。どうすればいいのか、全く分からなかった。

「ごめん、アスカ!遅くなっちゃった」

少しだけ待ってたら、アルトさんが休憩室に飛び込んできた。

「いえ、そんなに待ってませんよ。で、何か分かったんですか?」

昨日の夜、見せたい物があるから朝早く休憩室に来てと言われたので、きっと何か掴んでいるんだとは思う。

「うん、これを見て」

アルトさんが、手にしていた紙の資料をオレに渡してくる。

オレはそれをパラッとめくった。

「これは?ティアナの訓練校時代の資料……って、これはマズイでしょ!個人情報じゃないですか!」

オレは慌てて資料を閉じた。アルトさんが持ってきたのは、ティアナの訓練校時代の成績表だったからだ。

これはさすがにマズイだろ?

「分かってる。アスカに迷惑は掛けないよ。これは私が勝手にやった事だから」

何か、覚悟決めたような顔で言ってくるアルトさん。

資料もマズイけど、そこまで覚悟決められてもマズイよ!

「ダメですよ!オレがやらせた事に…」

「いいから見て!ティアナの焦りの原因が分かるかもしれないんだよ!」

「う……」

アルトさんの剣幕に押され、オレは資料を再び開いた。

そして、その中身を見る。

「………」

「アスカはどう思う?」

その資料は、成績を簡素にまとめた物だった。

訓練校の時のティアナのレベルがよくわかるようになっている。

…しかし、人の成績表を見るってのは、居心地が悪いな。

「どうって…最初の方は下から数えた方が早いってのは意外ですけど、コレはたぶんスバルが足を引っ張っていたからでしょうね」

確か、訓練校に入ってすぐにスバルとのコンビを組まされ、以降ずっと一緒にやっていると、だいぶ前に聞いた事がある。

オレはさらに言葉をつなげる。

「スバルは基本的に優秀だけど、不器用な面があるから力を発揮できなかったんでしょう。それをティアナが引き出した」

だから、スバルはティアナに全幅の信頼を寄せている。困ったのは、それが全面依存している所だ。

「うん。それから?」

アルトさんが促してくる。まだ何かあるのか?

「ティアナ自信は、流石に射撃は上手いって感じですね。スバルとのコンビネーションがかみ合ってきたのか、中盤からは常にトップレベルをキープしている。でも、これが何か?」

普通にティアナの優秀さが出ている成績表から、いったい何を見ろって言う
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2025 肥前のポチ