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魔法少女リリカルなのはStrikerS 前衛の守護者
第二十七話 すれ違い
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にとって過酷であった。
早朝自主練に始まり、日中のなのはの訓練、それが終わってから深夜にまで及ぶ自主訓練と、寝る間も惜しんで特訓に明け暮れていた。
「無茶な訓練しやがって」
アスカは、そんな二人を苦々しい表情で見ていた。
常軌を逸した訓練をしているティアナとスバルを止めようと、訓練前後で何とかコミュニケーションを取ろうとしたが、全ては無駄に終わった。
最初のうちはティアナも反応していたが、今では無視を決め込んでいる。
強引に話をしようと思っても、ホテルアグスタ警備後の夜の事もあって強く言えずにいた。
「分からねぇ…。ティアナ、お前は今どこを見てるんだ?オレ達は同じ方向を見ていたんじゃないのか?」
なぜそこまで、無茶をするのかが、アスカには理解できなかった。
「付け焼き刃の技なんて、脆いだけだぞ」
朝、昼、夜と訓練漬けのティアナ。疲労度は増すが、充実感はあった。
(まずは急いで技数を増やさないといけないんだ。幻術は切り札にならないし、中間距離から撃っているだけじゃ、それが通用しなくなった時に必ず行き詰まる。アタシのメインはあくまでシャープシュート。兄さんが教えてくれた精密射撃だけど、それしかできないからダメなんだ。行動の選択肢をもっと、もっと増やすんだ!)
脅迫概念に近い感覚でティアナは訓練を続ける。
今日も、スバルと共に早朝から組み手を行っていた。
その様子を、ヴァイスは何も言わずに見守っている。
「しょうがねぇか…気の済むまでやってみろ」
ヴァイスがそう呟いた時だった。
少し離れた場所からアスカが二人を見ている事にヴァイスは気づいた。
厳しい表情で拳を握っている。
一歩、アスカが踏み出す。
「待てよ。やらせてやれ」
二人に近づこうとしたアスカを、ヴァイスが止める。
「陸曹…あれを見て黙ってろって言うんですか」
感情を抑えたようにアスカはヴァイスに詰め寄る。
「納得いくまでやらせてやろうぜ。そこまで行かないと気づかないさ、ティアナは」
「……今ティアナがやってるのは近接戦の訓練だ。高町隊長の教導から外れている。ティアナが今やらなくちゃいけないのは、中距離での精密射撃とフォワードの指揮なんだ。その先はまだやる必要はないのに、なんでアイツは分からないんだよ!」
苦しそうに顔を歪めて、アスカが吐き出す。
「それでもやらせてやれ」
「……」
ヴァイスを睨むように見たアスカだったが、何も言わずにその場を立ち去った。
「らしくねえな。本当に行っちまったよ」
てっきり反論なり噛みついてくるなりすると思ったが、アスカがアッサリ引き下がったので、ヴァイスは拍子抜けした感じだった
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