136部分:複雑なる正義その一
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らば戦いましょう。トラキアの為に」
アルテナはその言葉に表情を変えなかった。
「よし、戦おう。もうすぐ陛下がアリオーン殿下やハンニバル将軍と共に主力を率いてこちらに来られる。それまで守り抜くのだ!」
「おお〜〜〜〜〜っ!」
コルータ達は雄叫びをあげた。だがアルテナは一人俯いたままであった。
窓を見た。南の方は天を衝かんばかりに山々がそびえ立っている。その向こうに王都トラキアがある。
(父上・・・・・・)
幼い頃より母はなく父の手で育てられた。厳しい父だった。だが兄と分け隔てする事なく慈しんでくれいつも手にしていたグングニルで指し示しながらトラキアの民の夢を実現する事について語っていた。それがこの様な事だとは。
(間違っている、こんな事でトラキアの民は幸わせにはならない)
だが言えない。最早時の無情な歯車は動いていた。それは誰にも止められないものであった。
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