第七話「龍、天下る」
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「中国の代表候補生が扱う専用機「甲龍」。接近戦を主力として開発しており、特にもっとも脅威なのが、空間に圧力をかけた……」
「ZZz〜……!」
座学の合間に、カミーユは拳を震わす。放課後に僕らは一夏達に協力を要請してサイを代表戦で凰の甲龍と戦わせることにしたのだ。
しかし、序盤の甲龍に関する座学でサイは机に伏せて寝てしまった。
「コラ! 起きろ!?」
カミーユは怒ってサイの結んだ髪を引っ張り上げた。
「い、いててぇ! 何すんだよ!?」
「講習に居眠りとは大した度胸だな?」
「だ、だってよ? オイラ、座学は苦手なんだよ〜!?」
いつも、側近である恵雲と瑞山の座学で毎回居眠りをしてしまうのだ。
「オイラは、模擬戦派なんだ! 身体でたたき込んでおくれよ?」
「まずは、対戦相手のデータを十分に知ってから戦うものだ。それも知らず無鉄砲に突っ込んだら、元も子もないだろ?」
「そ、そうだけど……」
サイは、カミーユのしつこいお説教に苦戦中だ。無理もない。カミーユは俺たちの中で一番の生真面目で几帳面すぎることもあるからこういうところでも全力で怒るのだ。
「じゃ、じゃあさ? サイの言うように模擬戦やろうぜ?」
と、ジュドーはこの場の雰囲気を和らげるためにそう割り込んだ。
「ジュドー! だが、説明をちゃんと理解しないと……」
「言葉で覚えるよりも、体で覚えた方が会得も早いだろ?」
「そ、そうだが……」
「よし! やろうよ!? オイラ、模擬戦なら大得意だぜ!?」
「全く……」
カミーユは、そんなサイに呆れてものが言えなかった。果たして、模擬戦ではちゃんとした結果が得られるだろうか……
だが、模擬戦ではカミーユの予想とはだいぶ異なり。甲龍の戦法を参考にした僕ら全員がかりの戦法を、ヒョイヒョイと身軽に避けながら反撃に出る。また反撃も半端なく、命中も正確だ。さすがはガンダムファイター……と、いったところである。
「ほう? 模擬戦では、まずまずのところだな?」
ゼータガンダムを纏うカミーユは、そんなサイの格闘戦に関心を寄せた。こちらの跳び道後を意図も容易くさけながら突っ込んで、お得意の拳法や両肩アーマーに取り付けられた筒状のパーツをつなぎ合わせたフェイロン・フラッグによる槍の近術戦、そして龍の頭部を模様した両椀部から放たれるドラゴンクローによる火炎放射など、戦闘スタイルは凰の甲龍とほぼ類似しているようにうかがえた。
「模擬戦に関しては大方問題ないな?」
アリーナの地にそれぞれのガンダムが降り立った。僕らの目の前には中国の代表MF、その名もドラゴンガンダムが地に足を付けた。
「中々いいね? 格闘選手だから、いろんな飛び道具を避けるように訓練を叩き込まれているんだろうな?」
「オイラの少林寺拳法の形は、蝶のように優雅で、蜂のように颯爽とし
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