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第七十八話 アンネローゼ様を救い出します。
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者たちにあたえたのである。
「そうじゃ・・・妾はこのような顔じゃった・・・・・あの頃が懐かしい・・・・・。」
ベーネミュンデ侯爵夫人は静かに息を吸った。血まみれの顔だったが、静謐さにあふれていた。
「妾は・・・悪夢を・・・見ていたのやもしれぬな・・・・。それが今わかった。ようやく・・・目が覚めるのじゃな・・・・。」
「そうよ。皆夢よ。悪い悪い夢なのだから。忘れてしまいなさい。」
アレーナはそっとベーネミュンデ侯爵夫人の手を握った。
「大丈夫よ。皇帝陛下も遠からずあなたの側に戻ってくるわ。それまで少しの間ヴァルハラで待っていなさい。大丈夫、ほんの少しの間だけよ。」
ベーネミュンデ侯爵夫人はあどけない少女のようにうなずき返し、静かに目を閉じた。その眼から一筋の涙が零れ落ち、静かに床を濡らしたのだった。アレーナはそれでもしばらく侯爵夫人の手を握っていたが、完全に脈が途絶えたのを見届けると、手を放して立ち上がった。
「アレーナ様・・・・。」
キルヒアイスがアンネローゼと寄り添うようにしながらアレーナを迎える。
「はい、これで一丁上がりよ。」
そう言ったものの、その顔は言葉と正反対の色合いを帯びていた。
「侯爵夫人・・・・・。」
アンネローゼはそっと床に倒れているベーネミュンデ侯爵夫人に愁いを帯びた視線を送り、数歩進み出ようとしたが無言で首を振ってやめた。思いこそ口に出さなかったけれど、アレーナ、キルヒアイスにはその心の動きがよくわかっていた。
「アレーナ、本当にありがとう。ジーク、あなたに感謝しなくてはならないわ。そして皆さま、本当にありがとうございました。」
アンネローゼが深々と頭を下げる。一同恐縮する思いだったが、誰ともなしに万歳を叫ぼうとした。
「駄目駄目。まだ万歳三唱できる状況じゃないでしょ。」
アレーナがやんわり制した。
「まずはベーネミュンデ侯爵夫人の遺体をノイエ・サンスーシに届けなくちゃね。リヒテンラーデ侯爵にあって事の次第を話すことにしなくてはならないわ。」
アレーナの言葉にレインがうなずく。
「後のことはこちらにお任せください。憲兵隊に事後処理を引継ぐことができるように、済ませておきます。ですが、これで終わったとは考えられません。」
「ベルンシュタインか・・・・。」
アレーナは数秒考え込んでいたが、
「マインホフおじいさまがいらっしゃったならば、憲兵隊に対して圧力をかけて封じることができるのだけれどね。そうね、エレイン、少し付き合ってくれるかしら?行かなくてはならない場所があるのよ。」
「場所?また何を急に思いついたのだか、あなたは昔からそうだったけれど。」
エレインがあきれ気味に両手を広げた。
「フレーゲル男爵のところよ。」
いともあっさりとそう言ったので一同驚いた。何しろフレーゲル男爵と言え
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