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第七十八話 アンネローゼ様を救い出します。
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時に照明を落としたのはレンネンカンプである。バーバラはというと外で逃げ延びてくる手下たちを片っ端から捕まえて後手に縛り上げていた。
ゴッドホルン子爵は既に動かない体をうつぶせにして血の海の中に横たわっていた。数発の銃が体を貫通し、頭部をも貫いているので即死だったのだろう。手下たちも同様だった。そして――。
ベーネミュンデ侯爵夫人も倒れていた。腹、そして肩を撃ち抜かれ、かろうじて息をしているが、もう虫の息だ。
「お、おのれ・・・。こ、このようなことに・・・なろう、とは・・・・!」
彼女は憎々しげにアレーナを見た。
「一つ言っておくわ。」
アレーナが無表情に彼女を見下ろしながら言った。
「あなたのメイドのヴァネッサは私のスパイだったのよ。長年にわたってずうっとあなたを監視していたわ。だからあなたたちの相談はぜ〜んぶ筒抜けだったのよね。」
「な、なんじゃと!?」
愕然となったベーネミュンデ侯爵夫人はとたんにせきこんで血を吐いた。
「残念だったわね。そもそも成功することなんかなかったのよ。ま〜今回はちょっとばかり冷や汗ものだったけれど。」
「お、おのれ・・・・。では、わ、妾は最初から・・・・お前の手の上で・・・・踊り・・・・・ゆ、許さんぞ・・・・死してなお・・・・・。」
「死してなお祟る?それはそれは御大層な事ね。せいぜいお祓いグッズ取り揃えて置くわよ。」
アレーナの皮肉はもう耳と耳の機能を失い始めているベーネミュンデ侯爵夫人には届かなかった。意識を失いつつある中、侯爵夫人の目に飛び込んできたのは目の前で抱き合うアンネローゼとキルヒアイスだった。それを識別できた時一瞬侯爵夫人の瞳が燃え上がった。其れを正視したものはあまりの怨念と憎悪さにぞっとなって顔を背けたほどだった。が、それはほどなくして消え去った。アレーナが片膝をつき、彼女に身を寄せてこういったからである。一転その口ぶりは皮肉満載の物から真摯なものに変わっていた。
「あなたがいつまでも純粋でいたなら・・・アンネローゼがノイエ・サンスーシに来なかったなら・・・皇帝陛下の御心はいつまでもあなたの側にいたはずよ。宮廷に上がったばかりのあなたの顔は・・・・・。」
アレーナは写真をそっとベーネミュンデ侯爵夫人に見せた。こういう時の為にと、アレーナは古い記録を漁って見つけ出してきたのだった。若いころのベーネミュンデ侯爵夫人とそれに寄り添うようにして立っている皇帝陛下の肖像を。
「ホラ、こんなにも綺麗だったわ。私から見ても羨ましいくらい。皇帝陛下の顔もとても穏やかでしょ?皇帝陛下にとっては、あなたは銀河一の女性だったのよ。」
「陛下・・・・。」
涙ぐんだベーネミュンデ侯爵夫人の声から憎悪が消え、夢見る純粋な乙女の顔になった。驚いたことに一気に若返りあの頃の顔に戻ったような錯覚を周囲の
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