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機動戦士ガンダム・インフィニットG
第六話「アムロ危うし!」
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、それをサイに手渡した。
「ほら? とりあえず、何か飲んで落ち着きなよ?」
「あ、あんがと……」
僕からジュースを受け取ったサイは、徐々に落ち着きを取り戻した。
「何があったの? 遠慮せずに話してみて?」
「……」
しかし、サイは下を向いたままだった。恐らく僕たちを信用していないのだろう。
「大丈夫……誰にもサイ君のことを言ったりはしないよ? 遠慮しないで話してみて?」
「……実は」
ネオチャイナのガンダムファイターこと、少林寺拳法の若き後継者サイ・サイシーは海を越えて、遥々このIS学園へ来た理由を僕らに話した。
話によれば、彼は少林寺拳法の後継者で前ネオチャイナ代表の息子だという。彼も、そんな父の跡を継いで立派なファイターになろうとそれなりの努力をし続けていった。
彼の住む少林寺には、数多くの弟子達が修行をしており、サイはその中から年上や年下の弟子たちからも愛されるよき弟分で兄貴分でもあった。
しかし……ある日、少林寺の弟子のひとりである凰がISの適性が高いことが知られ、政府が彼女を連れて行ったのである。
元少林寺のカンフー少女という名で有名となった凰は、いつしかその実力はISでも本領を発揮し、中国の代表候補性の一人に選ばれたのである。
そのことから、中国ではさらなる女尊男卑が上昇していき、その影響で中国全体の女性たちからは「次の少林寺の後継者は女だ! さもなくば取り壊せ!!」というデモが起こり、由緒ある少林寺拳法にさえ女尊男卑の風習が襲い掛かってきたのだ。
案の定、少林寺の女弟子らはそれに浮かれて次々に謀反を起こし、少林寺を乗っ取ったのだ。
そして、サイは側近の僧達と共に寺を追われてしまったという。
こうして、サイはこの発端の引き金である凰に対して恨みを抱き、彼女を殺すために側近の反対を押し切って日本へやってきたのである。
「……そんなことがあったのか?」
僕は、少し気の毒に思った。そりゃあ、誰だって同情する話だ。
ちなみに、今の彼の年齢はなんと16、7歳だという。下手すれば僕たちよりも年上かもしれない。いや、年上だ……
「……死んだオイラの父ちゃんが言ってたんだ。強さと暴力をはき違えるなって? 拳法は決して人を殺めるためのもんじゃないんだ! 心を高めてこそ少林寺拳法なんだ! それなのに……あいつは、凰は、ISなんかの『兵器』に手足染めちまったんだ! アイツは強さと引き換えに暴力を選んだんだ!」
拳を握り、身を震わせるサイを見て、僕はややビビった。しかし、そんなサイの両肩に明沙の手が添えられた。
「おちついて? とりあえず、学園に居ると見つかったら大変だから早くここから出ていった方がいいよ?」
「で、でも! オイラは……」
「気持ちはわかるよ? 私もそれは許せないと思うけど、『復讐』なんてダメ。拳法は、人
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