第六話「アムロ危うし!」
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題を当てて見せた。
「別に俺は……ああ、うん……」
そういえば、初対面でそれっぽいことを言っちゃった感じがすると、今さらながらうなずいた。
「……どうせ、その嬢ちゃんにセクハラ発言したんだろ?」
「それなら、言い返されても自業自得よね?」
「な、なんだよ! 俺も悪いってか!?」
「お前は軍にいたころから挑発的な態度を取って来ただろ?」
「う、うぅ……」
フォルドは返す言葉もなかった……
*
放課後、教科書を一旦寮へ返しに言ってから、夕食を取ろうと僕は先に寮を目指した。明沙を連れて……
「……先に行ってろよ?」
「いいじゃない? 私も一旦寮へ戻る予定だし」
「そ、そう……?」
「それよりさ? あの中国から来た代表候補性……」
途端、明沙はやや不機嫌に表情を曇らせた。
「どうしたよ? あのチビっ子になんか言われたのか?」
そういえば、学食でも騒々しいようで、御天馬の域を超えた強烈なオーラを感じた。
「……何だか、あの子ね? 明るいのにすごい強い感情を感じたの」
「え?」
……もしや、彼女も僕と同じように人の気配やオーラを感知することができるのか?
「……確かに、なんだか猛烈に『戦いたい!』って感じが半端なかったね?」
「それも、その思いは誰よりも一夏君に対してなの……」
「やっぱり……か、一夏の背後からすごい視線が感じられたし、あいつ自身も俺らみたいに感じてたな?」
「何か果たしたいことのために、『力』で解決しようとしている。乱暴な感情……」
「チッ! 気に入らねぇな……」
そう歩きながらしているうちに、僕らは寮に着いた。部屋に入ってそれぞれの筆記用具や教科書などを机に置こうとしたのだが……
「あ、アムロ!?」
明沙がベランダを見て震えながら僕を呼んだ。そんな彼女の要素を見て、尋常じゃないことは悟った。
「どうした!?」
「ひ、人が……!」
ベランダには、一人の……少年? それも、小柄な小学生ほどの少年がベランダの中で倒れているではないか!?
「だ、大丈夫か!?」
僕はとっさに、少年の元へよると、彼の小さな体を揺さぶった。だが、心配するには及ばなかったのだ……
「ZZz……」
ふと、少年の元から寝息と鼾が聞こえた。それも、彼は気持ちよさそうに寝ているではないか、これはこれで余計な心配をかけたとホッとした僕らは、とりあえず少年をこのままにしておくのもあれだし、ひとまず部屋の中へ運んだ。
「……ねぇ? この男の子、どこの子かな?」
と、明沙は膝を枕に少年を寝かしつけながら僕に問う。
「さぁ……ひょっとしたら関係者の子供かも?」
もしかしたら、教員かだれかの子供が学園についていった際に好奇心から歩き回って迷子になり、偶然にもここまでたどり着いたとか? いや、だとしたらどうやって数十階建ての寮
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