第六話「アムロ危うし!」
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いたなんて知らなかったわ?」
――コイツ、本当に無鉄砲だよな?
何はともあれ、フォルド先生がプロの軍人として語る戦術論が始まった。
「……と、地上での戦闘で最も恐ろしい戦況が、軍港で起こる敵の夜間奇襲がそれだ!」
チョークで図を書き、僕たちにこの戦場の恐ろしさというものが何なのかを説こうとフォルドはやや真剣な顔をしている。しかし、周囲のIS学園の女子らはつまらなさそうに聞いたり、中には居眠りをしたりする生徒も少なくなかった。それでもお構いなくフォルドの座学は続く。
「俺は、空中戦専門であるが空での戦いは一瞬で勝敗が決まる。しかし、地上での戦闘は長期戦や先手を駆ける奇襲戦、そして工作員を敵地へ送る……」
と、フォルド先生は、空戦以外にも地上での戦歴もあるためそれなりに詳しく僕らへ説明する。確かに、軍港の夜間奇襲は恐ろしい。夜更けの闇が広がる不気味な海面から水陸両用MSが巡回の敵機の足を掴んで海へ引きずりこもうとする……考えただけでも恐ろしい! それに、視界の悪い闇夜は何処から敵が来るかなど肉眼では捉えにくい。気が付いたらロックオンされていた。
「……ん?」
しかし、フォルドは転向初日で窓辺でたそがれる凰を見て深くため息をついた。
「おい? そこ、転入生? 俺の講習聞いてる?」
「聞いてるわよ……面倒な話ばっかでつまんないわよ?」
と、教員でも相手が男ならこういう態度をとるのだ。さすがのフォルド先生もそれにはイラッと来た。
「お、お前な……?」
「それは、あくまでMSでの話でしょ? ISの大半は空中戦なんだし、それにアタシなら思い切って敵をバッサバッサ無双するけどね?」
「無鉄砲に敵陣へ突っ込めばいい……そう思ってるのか?」
呆れた顔をしてフォルド先生が問うと、凰は堂々と胸を張って答えた。
「ええ、そうよ?」
「……あのな? 敵が地上にしかいないとは限らないんだぞ? 夜間空戦は地上よりもさらに恐ろしいんだ。ただでさえ、ミノフスキー粒子が濃ければパイロットは通信やレーダーが使えない条件の下で戦わなければいけないんだぞ?」
しかし、凰はフォルド先生の理論を無視してたそがれつづけているばかりだ。さすがにフォルド先生はため息を隠せなくなった。
「あんのツインテチビ! 言いたい放題言いやがってぇ!!」
休憩室で軍からの戦友、ルースとミユに愚痴を言いまくっていた。
「ま、民間人でその年頃の娘はそんなもんだろ?」
と、年上の元僚機であるルースは、最近の子はというような顔をした。同じくミユも同じようにため息を漏らす。
「そうね? まだ、十五、六歳の子で代表候補性っていうならそういう態度出しちゃうかもね?」
「だが……フォルド? ひょっとしたら、お前の軽口がその子を挑発させちまったんじゃねぇのか?」
ルースは相棒が起こす主な問
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