第六話「アムロ危うし!」
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セシリアとの決闘から一週間後、ようやくIS学園にも慣れて充実した生活を送れると僕は思っていたが、ここで新たな「刺客」が現れたのだ……
「……ようやく玄関口? んもう、広すぎて困っちゃうな」
そう地図を片手に苦労した少女は、広大に広がるIS学園の施設内をさまよい続けて、ようやく事務室の元へたどり着いた。
ツインテールに、本人には失礼だが背の小さい背丈をした小柄な少女だった。
「あの?すみません」
「はい?」
事務の女性が窓口から顔を出した彼女に気づいてパソコンのデスクから離れた。
「1年2組に転向する予定の者なんですけど?」
「ああ〜中国の代表候補性の?」
「はい! えぇ〜っと……確か、一年一組に男子で織斑一夏って子がいますよね?」
少女の問いに、事務員はやや表情を曇らせた。
「……ええ、MS学園の子ですけど?」
「ふぅ〜ん……あの、二組の代表者ってもう決まってるんですよね?」
「はい、一週間前にもう決まってますけど?」
「……それって、代わってもらうこととかできますか?」
「えっ?」
「だから、私代表候補生ですから、私が代表制になったほうがいいと思うんです!」
少女はそう自慢げに言い出すが、そのわがままに事務員は困ってしまう。
「で、でも……もう決まった事ですし……」
「いいじゃないですか! 私は代表候補性なんですよ?」
受付の窓の台をドンとたたいて叫ぶ少女だが、そんな彼女の背後より何者かの気配が現れた。
「昔っから、代わってねーな? 凰!!」
「!?」
背後から、襲い掛かる一瞬の殺意に少女こと、凰はとっさに振り返った。
「ハイィッー!!」
叫びと共に、凰元へ飛び蹴りを食らわせる小柄な影が襲い掛かる。
「……ッ!?」
それをスレスレでかわした凰は後に下がって、自分を襲い掛かる主を見た。
しかし、主は黒い覆面を頭に巻いて素顔は窺えない。
「誰よ!? アンタ!!」
咄嗟の敵意に、怒りをあらわにする凰は目の前の、自分同じ背丈の……少年を見た。
「少林寺拳法根絶の恨み! 今ここで晴らしてやるぅ!!」
そして、再び少年は凰へとびかかろうとするが、その光景を見た事務員がとっさに連絡した警備員の女たちがこちらへ駆けつけてきた。
「チッ……!」
少年は、悔しくもここは一旦引くことを選び、凰の前から素早く姿を消し去った。
「だ、大丈夫ですか!?」
事務員が、凰のもとへ駆け寄る。
「ええ……」
しかし、凰は襲われたことよりも、彼女を襲ったその少年が発した「少林寺拳法」という言葉にふと何かを思い出そうとしていた……
*
「ガンダムファイター……?」
一組の教室にて、僕は首をかしげてそうつぶやいた。
「うん! 何でも、MSを用いて対戦する格闘選手のことだよ?」
詳しく説明する明沙。
最近、各国は
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