第一部〜メンフィル・エレボニア戦争〜 外伝〜メンフィル・エレボニア戦争開戦〜
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12月3日、同日12:00―――――
〜エレボニア帝国クロイツェン州・”交易町”ケルディック・領邦軍詰所〜
「た、大変です、司令!」
メンフィル帝国による襲撃が行われる当日、領邦軍の兵士が血相を変えてケルディックに駐屯している領邦軍の司令がいる部屋に入った。
「ん?そんなに慌ててどうした。」
「メンフィルです!メンフィル帝国軍が現れました!」
「な――――寝言は寝て言え!ケルディックはメンフィル帝国領とも接していないのに、いきなりメンフィル帝国軍がこのケルディックに現れる事はできないだろうが!」
部下の報告を聞いて一瞬絶句した司令だったがすぐに気を取り直して部下を怒鳴った。
「本当にメンフィル帝国軍が現れたんです!西ケルディック街道を哨戒していた部隊がケルディックへと進軍しているメンフィル帝国軍を見つけた為急遽ケルディックに帰還し、報告してきました!」
「何だとっ!?それよりも何故それ程の重大な事実を通信で連絡せずにわざわざ走って伝えに来た!」
「それが……哨戒部隊の話によると通信をしようとした際街道に妨害電波のようなものが流されていた為通信ができなかった為、報告が遅れたとの事です!哨戒部隊の報告を聞いた我々も通信で司令に報告をしようとしましたが、このケルディックにも妨害電波のようなものが流されていた為通信による報告ができませんでした!状況を考えると恐らく通信障害の原因はメンフィル帝国による破壊工作かと思われます!」
「バカな!?クッ……メンフィルは一体いつの間にそんな破壊工作を行っていたのだ!?いや、それ以前に何故メンフィル帝国軍がこのケルディックを襲撃するのだ!?メンフィル帝国と戦争状態になった話等聞いていないぞ!?」
部下からの信じ難い報告に信じられない表情で声を上げた司令は唇を噛みしめた。
”貴族連合軍”がメンフィル帝国軍の奇襲をあっさりと許してしまった原因は3つ。
祖国の諜報活動を担う”情報局”を有している”革新派”と違い、”貴族派”は本格的な諜報部隊を有していなかった影響でメンフィル帝国軍の諜報部隊による裏工作に対して無防備だった為、領邦軍の誰もがメンフィル帝国軍による裏工作に気づけなかった事。
また、貴族連合軍の”総参謀”を務めているアルバレア公爵家の長男―――ルーファス・アルバレアもユミル襲撃の件を知ってはいたが、たかが辺境を襲撃され、死者も出ていないのにメンフィル帝国が戦争を仕掛けるとは露ほども考えておらず、メンフィル帝国に対しての情報収集も怠っていた事。
そして最後は”貴族連合軍”は他国に駐留している大使達からの連絡もまともに取り合おうとしなかった為、メンフィル帝国による宣戦布告の連絡
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