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艦隊これくしょん【幻の特務艦】
第三十七話 眠れない夜を抱いて
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んが私たち艦娘の運命を変えたのかもしれないわ・・・・。)
大和はしみじみと思った。
「さ、もう一走りして戻るとするか。」
武蔵の呼びかけに、ええ、と答えながら大和も従った。

12:00 出撃まであと18時間――。
「今日は食べるデ〜〜ス!!!」
金剛の高らかな宣言と共に、全艦隊が一斉に『いただきま〜す』と元気よく声を上げた。
 ここ、間宮の近くの野外広場では盛大なバーベキュー大会が行われていた。呉鎮守府の提督に倣って、葵が出撃前の大盤振る舞いを決行したのだ。
 それはバーベキューのみならず、山海の珍味がずらりと並ぶ盛大なものであった。酒こそでなかったものの、料理妖精たちが腕を振るった集大成が集結していたのである。
「うわぁ〜〜〜!!!」
讃岐が声を上げて、喜んだ。
「見てみて姉様!!すっごいですね〜〜!!スイーツまで盛りだくさん、バイキング形式ですよ!!これ、いくらでも食べていいんですか!?」
「いいんですよ。」
通りかかった赤城が大皿に山のようにつんだ料理を運びながら微笑んだ。常人の10倍はあろうかという皿を軽々と両手に持ち、その上には負けず劣らず山のような料理をうまく盛り付けているのだった。
「うわ、すごい量・・・・。」
讃岐がつぶやいた。
「それ、全部食べるんですか?」
「全部?ええもちろんです。」
と、不思議そうな顔をして答える赤城。
「あなたもそれくらい食べなくては、体がもちませんよ。」
「いえ、遠慮します。見ているだけでお腹いっぱいになりそう・・・・。というか三段式甲板ができちゃいそうです。お腹に。」
「わわ、私、そんなに太ってますか??」
赤城が狼狽して顔を赤くしたので、周りにいた艦娘たちが楽しそうに笑った。
「あああごめんなさい!そういう意味で言ったんじゃ――。」
讃岐が数歩下がって、後ろにいた尾張にぶつかりそうになった。
「ちょっと!!どこに目ん玉つけて歩いてんの!?」
「なんですか!?尾張姉様こそ・・・・って、うえぇ〜〜〜!!!!なんですか、それぇ。」
讃岐が口に手を当てて飛び下がった。尾張の手に下げたバケツの中にはピチピチと跳ねる生きた魚が入っていたからだ。
「何って・・・今釣りから戻ったのよ。見てのとおり生きた魚だけれど。」
尾張が白けた目で妹の狼狽ぶりを見ている。
「ままままさか、そのまま食べる気じゃ!?」
「違うわよ!!これを捌くの。」
「捌く!?そんなこと出来るの!?」
紀伊が思わず尋ねた。
「あなたと違って、私は包丁で指を切ったくらいで、気絶したりしないからね。」
それを聞いた紀伊が真っ赤になったので、皆大笑いした。鎮守府カレー大会で練習をしていた際に、指を切って朝まで気絶していたという話は、この横須賀鎮守府でも広まっているらしい。
「尾張姉様は、とて
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