ヘイトレッドチェイン
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の光。
「(悲しみと怒りは精神を乱すけど、それらは無理に押し込めちゃダメだ。心に還し、己が力としてコントロールする。そう、過去の痛みも、未来を守る意思も……全部ボクの力になってくれる!!)」
直後、レヴィの全身が淡い白色に光りだす。先程とは全く違う気配にアルビオンは剣を構えて警戒、レヴィの一挙一動を見逃さんとする。しかし……、
―――バンッ!!
「ぬぐっ!?」
やられた、と気づき、アルビオンは驚愕した。重々警戒していたにも関わらず、レヴィが消えた次の瞬間に16回も斬られたと理解しながら、礼拝堂の入り口近くの壁にソニックブームで吹き飛んだ周りの椅子ごと叩きつけられる。
「(馬鹿な……! 私にすら見えぬ斬撃とは、コイツはそこまでの境地に至っていたのか……!)」
音速どころか光速にも匹敵する超人的な連続斬り。たった一回のすれ違いの間に、相手を16回斬り伏せるレヴィの奥義。それは力のマテリアルとしての強靭な肉体、サバタから受け継いだゼロシフトとエナジー、ホドリゲス新陰流の居合抜き、全てが重なることでようやくたどり着いた彼女の真髄。
「十六夜光剣……この技を見た時、お前は既に死んでいる!」
「(サルタナ以外の者に負けるとは……私の腕も衰えたものだ)……認めよう、お前は私より強い……」
驚愕と、そして称賛。その言葉を残し、アルビオンは意識を失った。それは彼の中にほんのわずかに残された真っ当な騎士としての矜持から放たれた、最大限の労いであった。
壁に寄りかかって崩れるアルビオンの前に降り立ったレヴィは、クールに決めるべく口の端を釣り上げて笑い、カッコイイポーズを取ろうとして……、
「あ、やばっ、無理っぽい。いててて……!」
これまでの戦闘で負ったダメージの痛みが今になって響き出し、さらに生身で光速の世界に入ったフィードバックもあり、近くの椅子の残骸にぎっくり腰を患った老人のような格好で手を突いたレヴィは涙目で身悶える。まぁ、最後はかっこよく決まらなかったが、それでも彼女は見事にアルビオンを倒し、希望を繋ぐ役目を果たしたのだ。
「(ちょっと癪だけど、勝てたのは運が良かったからだろうね……。ま、後はボクの仲間がSOPの解除とか色々やってくれる手筈になってるから、ボクの方もミッションは成功だ。解除まで時間はちょっとかかるかもしれないけど、次はニブルヘイムにいる皆の番だ。ちゃんと勝ってよね? さ〜てと……仲間の皆が来たら、少し休みたいや……)」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
新暦67年9月24日、22時27分
第78無人世界ニブルヘイム、アーセナルギア・アルカンシェル内部、上部艦橋エリア。
「ユーリに送ってもらったアーセナルギアの解析データによると、動
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