第四十一話 確信された事実その六
[8]前話 [2]次話
「ここを使うことも大事なの」
「頭ですか」
「警察に通報する、身を隠す」
「誰かに助けてもらうことも」
「ならず者が相手だから」
平然と暴力を使う様な、だ。
「だからよ」
「そうすることもですか」
「戦いよ、戦いは正面から向かうだけじゃないの」
「色々な戦術があるってことですか」
「そうよ」
副所長は優花にはっきりと答えた。
「正面からやって負けるに決まってる相手にはね」
「正面からは向かわない、ですか」
「一時逃げたりすることもね」
そうしたこともというのだ。
「大事よ」
「そういうことですね」
「だからいいわね」
また言うのだった。
「ここはね」
「療養所にですか」
「隠れることも考えてね」
「わかりました」
優花も副所長の言葉に頷いて答えった。
「そうさせてもらいます」
「是非ね、それと」
「それと?」
「何といってもお姉さん達はね」
優子、そして龍馬はというのだ。
「誰よりもね」
「頼りになるからですね」
「頼るのよ」
こう言うのだった。
「いいわね」
「はい」
確かな声でだ、優花も答えた。
「そうさせてもらいます」
「是非ね」
「難を逃れないと」
「そう、危ないことになるわ」
まさにというのだ。
「何をしてくるかわからない相手だから」
「余計にですね」
「用心に用心を重ねてね」
「そうさせてもらいます」
「是非ね、そうしてね」
「それじゃあ色々と考えていこう」
岡島も言ってきた。
「いいね」
「はい、これからのことを」
「あらゆるケースを考えてね」
岡島は実際にだった、優花と副所長の三人でこれからのことを考えて話していった。この日はこれで午前中を過ごして。
優花は療養所を出た、一人で歩いてだったが。
出る姿を丁度張り込んでいた鍛冶元に見られた、そして鍛冶元は優花のその写真を撮った。そのうえで衝夫に連絡をしてだった。
昼食も兼ねて彼と会ってだ、その写真の話をした。
「後で渡すけれどな」
「蓮見がですか」
「療養所から出て来てたな」
「じゃあやっぱり」
「あの娘あの療養所からだったな」
「うちの学校に来ています」
「それじゃああれだな」
鍛冶元はまた言った。
「あの娘は療養所で何かあったな」
「あそこで」
「あの療養所の入所者の話はしたな」
「はい、どうもでしたね」
「男女の数が合わないからな」
それでというのだ。
「あの娘も関係あるかもな」
「その合わない」
男女の数がとだ、衝夫はそのことについて話した。二人で焼肉を食べているがこの店は怪しい国の怪しい組織の者が経営している店だ。
[8]前話 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ