第四十一話 確信された事実その五
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「チームプレイでね」
「あっ、何人もいるんですか」
「そう、事務所だから」
「探偵事務所ですね」
「迷い猫も迷い犬も絶対に見付ける」
実は探偵の仕事は浮気や身元の調査にこうしたものがメインだ、推理については実はあまり存在しないものだ。
「まさにプロよ」
「じゃあそのプロの人に」
「そうよ」
まさにというのだ。
「任せていいわ」
「それじゃあ」
「若し身に危険を感じたら」
副所長は今度は優花に顔を向けて彼女に告げた。
「ここに来て」
「療養所にですか」
「暫く学校も休んでね」
「この中で、ですか」
「ええ、匿うから」
そうするからだというのだ。
「身の安全は保証するわ」
「そうしてくれますか」
「相手は権力を持ったならず者よ」
衝夫のことに他ならない、学校の教師は生徒に教え担任や顧問として預かり聖職者とさえ呼ばれる。ここまでなれば紛うことなき権力者だ。
「何だってするわよ」
「だからですか」
「身の危険を感じたらね」
まさにその時はというのだ。
「ここに来てね」
「わかりました」
「ここまで来られない状況なら迎えに行くから」
副所長は優花にこうまで言った。
「自分の身は自分で守る、よ」
「身を隠すこともですか」
「そのうちの一つだから」
だからこそ、というのだ。
「そうするのよ」
「それじゃあ」
「そうしてね、本当に身を守るのは自分だから」
他ならぬ自分自身だtいうのだ。
「来てね」
「そうさせてもらいます」
その時はとだ、優花も答えた。
「私も何かあって欲しくないですから」
「そうしてね、それと」
「それと?」
「お姉さん達には連絡したわね」
「はい」
その通りだとだ、優花は副所長に答えた。
「もう」
「それはいいことね、とにかく何でもね」
「手を打つことですね」
「全てね」
「そうしてですか」
「難を逃れて、暴力にも脅迫にも」
副所長はそうした行為に怒りさえ覚えて言った。
「負けないことよ」
「負けない、ですか」
「こうしたことへの戦いはね」
副署長はあえて戦いという強い言葉を出した、そこには彼女なりの意図があった。それで使った言葉である。
「正面から向かうだけじゃないの」
「難を逃れることもですか」
「大事よ、そして警察とかに通報することもね」
「戦いなんですね」
「そうなの、暴力には暴力じゃなくてね」
ここでだ、副所長は自分の頭を左手の人差し指で指差して話した。
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