第四十一話 確信された事実その二
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「ジャーナリストとか市民団体の中にいる」
「組合とか?」
「そうよ、そうした世界にいる人達の中にはね」
「酷い人達がいて」
「そうした人達と付き合いがあるのよ」
衝夫の様な問題のある教師はというのだ。
「往々にしてね」
「じゃあ」
「そのツテを使われると大変だから」
それ故にというのだ。
「いいわね」
「早く、よね」
「手を打ってね」
「わかったわ」
「副所長さんか岡島さんに今のうちに連絡をすることもね」
療養所にいる彼等にもというのだ。
「いいわよ、むしろね」
「今すぐに?」
「そうした方がね」
「いいのね」
「そうかも知れないわ」
こう妹に言った。
「むしろね」
「手は早いうちになのね」
「必要なものを全て打っておくものだから」
「だからなのね」
「そう、今すぐにね」
また優花に言った。
「気をつけてね」
「わかったわ」
優花は姉の言葉に頷いた、そしてだった。
優子との電話が終わってからすぐに岡島に連絡をした、岡島はこの時当直で療養所にいたが。その話を聞いてだった。
すぐにだ、彼はこう言った。
「ああ、実はね」
「実は?」
「副所長が言ってたんだけれどね」
当直室でラフな格好で優花に話した。
「最近療養所の周りにね」
「周りにですか」
「変なのがうろついてるとかね」
「変な人ですか」
「その先生かな」
岡島はこう考えた、まずは。
「君のことを探ってね」
「弱みをですか」
「握ろうとかね」
「そう考えてるかも知れないんですか」
「そうした奴は脅迫も普通にするからね」
相手の弱みを握ったうえでだ。
「もう何でもするから」
「私の弱みは」
「言うまでもないよね」
そのことはとだ、岡島は優花に告げた。
「それは」
「はい、もう」
「だからね」
「それで実は姉さんに言われまして」
優花は曇った顔でだ、岡島に姉とのやり取りのことを話した。
「何かあったら療養所の人達を頼れって」
「そう言われたんだね」
「はい、そうです」
「うん、そして今僕に電話してくれたんだね」
「そうなんですが」
「よく電話してくれたね、じゃあね」
それならとだ、岡島は優花にすぐに話した。
「明日すぐに話そう」
「はい、お願いします」
「これからどうすべきかをね」
「その先生について」
「そうした教師はヤクザ屋さんよりも酷いからね」
ヤクザなら常に警察や市民に監視されていて何かあればすぐに捜査が入り逮捕される、しかし教師は聖職者とされて学校に守られる、どちらが悪質か言うまでもない。
「非常手段もね」
「考えておられるんですか」
「僕はね」
そうだという返事だった。
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