44珍走団
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た。
『さあ、皆さん、もう怒るのは止めて、静かに家に帰りましょう、美しい思い出だけを持って帰りましょう』(チョサッケン教会、第123456号許諾)
戦いの気配を察知し、両手にメリケンサックを装備して縮地で加速、目の前の数十人と、校外の百人以上を全員ぶっ倒す事にした最終兵器さんも、佐祐理お姉様のキチェサージャリアンな歌声に惑わされ、戦う意思を失って行った。
「姐さんっ、姐さんはアタシらの憧れ、アタシらの青春のシンボルでしたっ」
目の前の副長も、各チームの総長、特攻隊長が、背中に「川澄舞命」と刺繍された特攻服を脱ぎ、順番に並んで泣きながら舞に進呈しようとした。
『いらない』
無情にも受け取りを拒否した舞だが、こんな時に限ってプレデターさんも協力し、特攻服を一旦受け取ったように見せかけ、その場に置いて電流爆破した。
「こんな時ってお焚き上げですよね」
昨夜、香里の思い出が篭った制服や、遺髪や腕時計がこうなる運命だったのを、秋子に阻止されお焚き上げされるのを免れていたが、不良どもの服は校庭で燃え上がって行った。
「姐さん、どうか弟さんとお幸せにっ、でも世間が許さなかったら俺らが待ってます、好みの漢がいたら、付き合ってやって下せえっ」
男の総長も、別れの瞬間には直接話すのを許され、涙混じりの声で語り、青春の汗と涙が染みこんだ特攻服を、燃えているレディース副長の特服の上に置いた。
「姐さん、三年間お世話になりましたっ。姐さんがいなかったら、俺らは893の食い物にされて、毎月上納金稼ぐのに悪事を起こさないとやって行けなかった。それを、綺麗な体のまま卒業できるのも姐さんのお陰ですっ、ありがとうございましたっ」
次々に特服が燃やされ、舞と一緒に卒業する者が続出した。痛車からも舞の写真が剥がされ、同じように燃えて行く。そして次世代の総長に任命された者は、マッスルボディ栞さんの前に跪いた。
「「「「「栞姐さん、二台目襲名おめでとうございます、アタシらは今後、姉さんに付き従います」」」」」
「へ?」
全人格と力を取り戻した舞は、要領良く難儀な立場を全部栞に押し付けて引退卒業した。
押し付けられた栞さんは、年上のヤバそうな女や、同じ年ぐらいで中卒のアフォどもから崇拝される存在に祭り上げられてしまった。
「へえ?」
舞お姉さまの方向を見た栞は、舞が舌を出して向こうをむいて惚けているのを確認したが、今の言葉を撤回するつもりは無いようで、最終兵器さんは、限りなく北海道全土に及ぶ領地を統治する裏番の二代目に任命されてしまった。
二代目だけに、鉄仮面とかも用意しないといけないらしい……
「認めねえっ、俺は舞姐さん以外の女なんか認めねえっ!」
青春のアイコンを失ってしまった少年は、栞に詰め寄ろうとしたが、舞の言葉に止められた。
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