42舞の全身集合
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出現し、ニョロっと体を曲げて祐一の膝の上に着席した。
「はい、ゆうくん、あ〜ん」
「エ?」
祐一は箸も茶碗も持たせてもらえず、美汐が用意した和風の朝食と昨日の残り物のおかずを口元に持ってこられたが、このメンバーの前でそんな行為をすればタヒぬ。
『あ〜〜ん?』
既に「ダッテ、イツモコウダッタジャナイ」とも言わず、病み切った目で射抜かれて、逆らえば握り箸で刺されて、アツアツの味噌汁をフーフーしないで飲まされそうな圧力を感じた祐一クンは、口元にねじ込まれたローストビーフを仕方なく受け止めた。
「何をしているのかしら? 美汐」
「え? ゆうくんにご飯を食べさせてます」
ゴージャスさゆりんの固有結界内でも、自由意志を持って動いている術者を睨む佐祐理。
ここでも「相沢さん」のために動くなら佐祐理のオーダーに従って、アルター能力にも屈するのだが、「ゆうくん」の為になら術を打ち破って動けてしまう化け物との鞘当てが開始された。
そんな緊迫した食卓に、栞を制服に着替えさせて配達して来た倉田家の爺やとメイドも昨日と同じように参加して、毒気をヌかれた一弥も栞が膝に乗せて持ち込んでいた。
「皆様お早うございます、昨日は良くお休みになれましたでしょうか?」
ピリピリした雰囲気を和ませようと発言すると、お嬢様も爺やの異変に付いて声を掛けられた。
「あら爺や? 何か若返ってませんか?」
髪の色までは黒くならなかったが、皺が消え、四十代程度まで若返ってしまった爺や。昨夜の会合以降、合意された内容に従って盗聴器を持たされ、カメラまで付けられていたが、サーモグラフからも、このメンバーから生身の人間がいなくなっているのが確認された。
「ええ、一弥様からのご命令で、少し若返らせて頂きました」
「そう、もし爺やが入院でもしたらどうしようかと思ってたのよ、良かった」
佐祐理を気遣い「もう少し地獄を見てから死ね」と言われたのは隠したが、目の前の光景は穏やかな言葉とは違い、「秋子様に左手を捕らえられた相沢様は、謎ジャムを塗ったトーストも持たされて、セルフで「あ〜ん」させられて一枚食べ終わるまでその姿勢を保たされ、ジャムが付いた指まで舐められている」「天野の娘を除けて、相沢様の右手を奪ったお嬢様が、食事に関係ない場所を握らせたり、バターを塗ったトーストを隙間にねじ込んで相沢様に食べさせようとしたり、それも邪魔する天野の娘の背中にコーヒーカップの中身を注ごうとして何か高度な術で阻まれて、仕返しにアツアツのコーヒーを顔に掛けられたり、目にコーヒーが入ってマジギレしたお嬢様が、テーブルの味噌汁の椀を持って天野の娘の頭に被せようとすると、秋子様にも睨まれてお仕置きされてしまった」「舞様が焼豚を咥えて、後ろから相沢様に口移しで食べさせようとすると、お嬢様が怒って「ガ
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