39座古
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火など無く、明らかに「香里に渡された紙袋」があった。「遺髪」「香里が二年以上着て思い出がこもった制服」「下着と初めての印が残ったナプキン」「遺髪を切ったハサミ」「色々拭いたハンカチ」「アイスの入れ物」などなど、思い出の品々。
さらに祐一の左手から強奪されていた「二人の時間を共有した愛の腕時計」なんかも、魔物の握力で握り潰されて、粉々になりそうな勢いで圧壊し始めていた。
「ヤメテーーーーッ」
明日からはクラスの女子全員のチェックが入り、香里の腕時計をしていない上に別の女に壊された、などと言うと体育館裏で女子全員にシメられ、バスケットのゴール辺りで首から懸垂させられるのが確定しているので、慌てて腕時計を取り返す。
「エ? ナンデ? ユウクン」
お仕置きが不足して、また心が病み始めた美汐さんは、電呪で左手に火花を発生させて、香里の持ち物を電流爆破で木っ端微塵に破壊して焼き払おうとした。
部屋の中にネズミ花火などを放り込む真琴より悪質な魔物がゆうくんの部屋に入り込み、乱暴狼藉の限りを尽くそうとしていた。
「それだけは許して」
思い出の品が無くなっていたり、特に遺髪と腕時計が無くなると発狂して魔物の腕力で暴れ出す香里さんの未来図を見てしまい、紙袋を取り返そうとするゆうくん。
「これね「お焚き上げ」って言ってね、穢れた物でも火で浄化して天に返すの、だからこんな汚いものがゆうくんの部屋にあったらダメでしょ? だから花火しようね、ウフフフフフフフフフフフフフフフフフ」
ニッコリと笑う表情が怖すぎて、天使の人形ですら引くが、みーちゃんは栞と真琴がロストバージンしたベッドなんかも許せないらしく、マットとシーツを引き出して着火しようとした。
「らめえええええええっ!」
火災報知機になったゆうくんの声は、秋子さんを召喚し、空間転移してきた秋子は、美汐の首のあたりを掴んだ。
「美汐、花火は外でするものよ」
みーちゃんは所謂「スポックつかみ」を受けて倒され、昏倒させられた。
「うふ、元気が良いお嫁さんが一杯で、祐一さんも大変ですね」
美汐の死体?を引きずって歩く秋子は、エフェクトが掛かった心の声で『……届いた』と言って、くりいむレモンシリーズの「魔DOLL」のエンディンぐみたいなセリフを残して去って行った。
(秋子さんの力、戻ったんだ)
何かこの後、「お別れだよ、ネッド」と言われそうな気もしたが、秋子は満足させたのと、種牡としても今後必要になるので生き残れそうな気はした。
階段を通過する時「ガコン」とか「ゴン!」と言う、美汐の体や頭が階段と接触する音が響き、一階で何らかのお仕置きを食らう悲鳴も聞こえたが、あえて聞かなかった事にして少し焦げたマットとシーツを戻して横になった。
月宮一行の部屋。
数時間後、命までは落と
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