39座古
[7/17]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
7年… ずっと寂しかったっ」
また祐一の肩に顔を埋め、泣き出す美汐。
「もう消えないでっ、ずっと私と一緒にいて一緒に暮らしてっ、学校なんて辞めてもいいっ」
「無理言うなよ、学校もあるし、家族だって」
そこまで言って、秋子や名雪が家族では無いのを思い出す。元気になった香里や栞に襲撃されたり、名雪とも険悪になって口をきかないで生活するのも、正直苦痛だった。
「今、なんて言おうとしたの、私には隠し事しないでっ」
「いや、秋子さん達も同族だけど、家族じゃなかったんだ。親とは近い血筋だったけど、親戚でも無いらしい」
「誰もいなくても、同族がいなくなっても、私達は… 私は、ゆうくんと夫婦だと思ってるから」
「ああ、ありがとう」
そう言われなくても、美汐ならずっと祐一の味方でいてくれそうな気がした。例え香里の策略で、世論を全て敵に回したとしても。
そこで美汐は、寝る時や起きてから必要になるものを、わざわざ祐一の部屋に運び込まれていた自分の所持品で一杯なカラーボックスから取り出して並べた。
その途中に気付いた「真琴の少女漫画」を廊下に放り出し、魔物の腕力で真琴本体も隣の部屋に放り出し、名雪のマーキングにも気付いてケロピー印の物品を放り出し、目覚まし時計の機能も看破して自分の声を吹き込んだ。
「ゆうく〜ん、朝だよ、起きて、起きないとイタズラしちゃうぞ。ねえ〜、起きて〜、出かける前に一回シておこうか? 学校でしたくなったら困るもんね、口でいい? それとも……」
「やめてくれ」
名雪の声は消していたが、エロ目覚まし時計になりそうな物体のスイッチを押して録音を止める。
「うふ、どうして? 男の子って、朝は大きくなっちゃうんでしょ?」
ゆうくんと暮らした頃から「男の子は朝に大きくなるもの」と学習していた美汐。「朝立ちは、小便までの、命かな」と歌ったお婆さんの狂歌?からも、オットセイくんの生体を知り、トイレに行かないでも大きくなったついでに別の方法で小さくして、学校で別の女を見て発情しないでも済むように、毎朝自分で処理するつもりでいた。
(美汐、恐ろしい子……)
また月影先生になった祐一と天使の人形だったが、美汐はゆうくんを隣の真琴部屋に通わせるつもりは一切無く、学校前の真琴(本物)部屋や月宮一行の女の部屋に通わせるつもりも無かった。
「もうみんな満足したよね、真琴だって消えないで済むだろうし、秋子様だって力は取り戻したし、実のお姉さんとはしちゃダメだよ、佐祐理お姉様は女の子専門で、あの四人は論外、名雪様もあの体じゃあw」
後は栞と香里にどんな術を掛けて始末するか考えている美汐。名雪と月宮一行は術者としても女としても「論外」らしく「プッ」と笑われた。さらに……
「ゆうくん、花火しようか?」
「エ?」
勿論その手には花
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ