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シークレットガーデン〜小さな箱庭〜
-荒くれザンク編- 6
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が指さす方向にシレーナがいるはずだっ」

と言い切った。恐怖なんてものを軽く吹き飛ばしたルシアを見てランファは秘かに…

「(無駄に前向きなのは、昔からなんだ…ふーん)」
「…?」
「なんでもなーい」

心の声が漏れていたがいつものように軽く流されなかったことにされてしまった。


何体かの人形たちに驚き、他に何も仕掛けがないかチェックしながら森の奥深くへ向かってずっとずっと歩いている。…のだが

「ううっ……いつまで歩き続ければいいのぉ〜?」

半泣きでダラダラと肩を落として歩きながら、疲れた疲れたと駄々をこねるランファを

「きっとあともう少しだから……ね?」

となだめようとするが…

「それ何回目?はいしゃしゃんかよっ!」
「…う」

と的確にツッコまれ言葉を失う。お互い黙って歩いていると遠くの方の目の前が少しずつ霧が晴れてっているのが見えてきた。

「あっ!光ー。やっぽーいっ出口だぁー!」
「あっ待ってっ!」

霧が晴れかけて少し森の外からの光が漏れているのを見てランファは咳ほどまでの恐怖心が何処かへ吹っ飛んでしまったのか、それともついに壊れたか、笑顔で一気に森を抜けようと走り出した。
慌ててルシアもランファを追いかけ…


「……エ?…ナニコレ」
「ど、どうし……っ!」

出口と思っていた場所で突然、呆然と立ち尽くすランファに声をかけようとして息を飲む。
光の向こう側はゴールだった。でも決してルシア達にとって良いゴールではなかった…。

「ギャハハハッ」
「きゃぁーーーー!!」
「ダ、ダレかたすけ……っ」

紅い瞳の男がお爺さんの言っていた、さらわれた町のうら若き娘たち達をバッサバッサと剣で切り付けていた光景だった。
辺りには娘たちのもわぁっとした血の臭いと、男の狂った笑い声が森中に響き渡っていた。

「ひどい……ひどすぎるよっ!」

思わず非人道的な事を行っている男に向かって言葉が出る。

「あぁ?ダレだテェメら?」

奇声を上げながら娘たちを斬り殺していた男は、ルシア達の存在に気づき死んだ娘の体に剣を突き立てゆっくりと振り向いた。


「………」

黙り込んで様子見ようと思っていたルシアだったが何にも考えずに、自分の思った通りに動き己の正義を貫くランファは空気を読ない発言をした。

「私達は勇者様御一行だぁーーー!!」
「えぇぇぇ!?」

あまりにも急な予想だにしてなかったランファの発言に驚きまくり少々引き気味のルシア。

「ギャハハハッ!!オマエらみたいなヒヨコが勇者だぁ?ギャハハハッ」

男は腹を抱えて大爆笑する。

「笑うなーー!!」
「いやっ、笑わない方が無理なんじゃ……」

頬を赤く染め恥ずか
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