第2話
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はある事を思い出し、エリゼに訊ねた。
「それは…………」
「………―――その件に関しましては私の方からご説明させて頂きますので、大変お手数で申し訳ありませんがこの場にはいないルシア夫人やセレーネ嬢もお呼びしてください。シュバルツァー卿の伴侶であられるルシア夫人もそうですが、ルクセンベール卿の妹君であられるセレーネ嬢も知るべき事だと思われますので。」
エリゼが複雑そうな表情で答えを濁しているとシグルーンが一歩前に出てシュバルツァー男爵達に説明し
「………わかりました。ここは狭いので、ご足労ですが応接間まで移動して頂き、そちらの方でご説明をお願いします。」
シグルーンの話を聞き、尋常ではない事を知らされる事を悟ったシュバルツァー男爵は落ち着いた様子で答えた。その後ルシア夫人とセレーネも加えてリィン達は応接間でシグルーンからの説明を聞き始めた。
〜応接間〜
「それでシグルーン様。メンフィル帝国からの重要な知らせとは一体………?」
「―――遠回しな言い方は止めて、単刀直入に答えさせて頂きます。昨日メンフィル帝国はエレボニア帝国に対して戦争を仕掛ける事を正式に決定し、帝都ミルスの民達にも発表致しました。今頃はゼムリア大陸に存在するメンフィル帝国の領土も含めたメンフィル帝国全土に知らせが渡っています。また、本日の正午にはリベール王国の王都にあるエレボニア帝国の大使館にも宣戦布告が届くように手配してあります。」
セレーネの質問に対してシグルーンは静かな表情で答え
「……ッ。予想はしていましたけど、やはり最悪の事態に陥ってしまったのですか……」
「そ、そんな………」
「…………シグルーン中将閣下。戦争勃発の原因はやはり先日アルバレア公爵によって雇われた猟兵達によるユミルの襲撃ですか?」
シグルーンの答えを聞いたリィンは息を呑んだ後複雑そうな表情をし、ルシア夫人は悲痛そうな表情をし、シュバルツァー男爵は複雑そうな表情でシグルーンに訊ねた。
「はい。他国の貴族……それも皇家に次ぐ権力を持つ大貴族の指示によって猟兵達が我が国の領土を襲撃して民達の命を脅かし、更には領主夫妻にまで危害を加えたという狼藉はメンフィル帝国として絶対に許し難い所業です。」
「そ、それは……で、でもあの襲撃でシュバルツァー卿も含めて誰も命を落としていないのですから、幾らなんでも戦争に踏み切るのは早計なのではないでしょうか……?」
シグルーンの説明を聞いて悲痛そうな表情をしたセレーネだったが、すぐに気を取り直して意見を口にした。
「犠牲者の有無は関係ありません。それにメンフィル帝国は戦争に踏み切る前に大使館を通してエレボニア帝国に対してユミル襲撃の”謝罪”として、常識的に考えて当
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