100部分:それぞれの思惑その三
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と微笑んで声を掛けた。
「え?」
「こんな遅くにどうしたの?お父さんやお母さんが心配しているわよ」
イシュタルは柔らかい茶色の髪を撫でながら優しく男の子に語り掛けた。
「・・・・・・はぐれたの」
「何処で?」
「あっちの・・・・・・キノコやお魚がたっぷり入った幅の広いスパゲティや大きいマカロニが出るお店で。おトイレに行こうとしたらこんなとこに来ちゃったの」
男の子は賑やかな酒屋の連なる道の方を指差して言った。イシュタルはその道を見て頷いた。
(キノコや海の幸のフェットチーネやペンネ・・・・・・。コノートじゃ『ランスへの旅』が有名ね)
イシュタルは男の子を抱きかかえた。
「心配しないで。お姉さんがお父さんとお母さんに会わせてあげるわ」
男の子の耳元で囁いた。
「本当?」
「ええ、本当よ。お姉さんに任せて」
男の子に頬を摺り寄せ言った。
「ただ坊やの名前教えてね」
「名前・・・・・・リカルドっていうの」
「リカルド君ね。行くわよ」
イシュタルはリカルドを両手に抱きかかえ目星をつけた店に行きその店の前で子供の名を叫ぶ両親を見つけ子供を引き渡した。両親は頭を深々と下げ礼を述べ謝礼に酒と料理を御馳走しようと言ったがイシュタルはそれを丁重に断り店を後にした。そして暫く道を歩いていた。
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