「トモダチっぽい・下編」(完結編)
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ねえ、念のためにアケミの家に寄っても良い?」
「うん」
私たちは小走りに家へ向かう。
「ただいま」
「お帰り」
「こんにちは!」
「あら……」
ミサトのことは母もよく知っている。そして……今日、なぜミサトがうちに来たのかも、母は直ぐ理解した。
「アケミ……大変だよ」
「どうしたの?」
靴を脱ぐ私たちに母は言った。
「とにかく2階へ……」
私とミサとはお互いに頷き合うと、かばんを置いて慌てたように2階へ急いだ。
そして自分の部屋の扉を開けた瞬間……私たちは信じられない光景に自分たちの目を疑った。
「夕立……ちゃん?」
「あ?」
「あ」
夕立ちゃんと同時に言葉を発した、もう一人の艦娘が居た……私たちはそれが誰であるか直ぐに分かった。
「時雨……ちゃん?」
私は言いながら彼女を見た。
「不覚……」
悔しそうに呟く彼女。
……え? いったい何が起きたのだ?
沈着冷静なはずの時雨ちゃんの表情は暗かった。
ところが逆に夕立ちゃんはニコニコしているのだ……これはもしかして?
「そうっぽい……」
ニコニコして夕立ちゃんは力こぶを作る真似をする。気のせいか、彼女の髪の毛が少しネコ耳のように立っている。
ミサトが私の背中を小突く。
「そうか、結果はこう出たかアケミ! ……要するに救出作戦は失敗した。夕立を回収しようとした時雨ちゃんも無残にこの世界に取り残されてしまいました……ってところかな?」
ミサトの妙な解説に、硬い表情で頷く時雨……
夕立ちゃんは時雨ちゃんに言った。
「ねえねえ、時雨ちゃん、紹介するね。この人がカオリン……提督だよ」
「提督……失礼したね。ボクが時雨だよ」
それでもきちんと私に敬礼をする彼女。
ああ……これは、さらに私の周りがカオスと化す予感がした。
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