「トモダチっぽい・下編」(完結編)
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と一緒に逃げるわけでもないだろうし、いつまでも隠せるとも思わない。
物語によくあるように必ず夕立ちゃんは元の世界に戻らないといけないのだろう。何かそう思うと出会ったばかりなのに寂しい気持ちになった。
何となく2人の男子たちも私と似たような感覚になっているようだ。
父親がボソッと言う
「でもこれからどうするかな」
「そうだね」
兄も同意するように言う。
母親もひと言。
「警察に言うのかな」
私は慌てて首を振った。
「そんなことしたら大変だよ!」
「なんで」
「だって……」
すると私が部室で心配したのと同じようなことを父親が言う。
「たって、この子は人間兵器っていうか……」
兄も言う。
「そうそう戦う兵隊なんだよ」
そこまで話が行くと母親は分からないらしい。彼女は夕立ちゃんに聞く。
「でも金髪だよね。あなた日本人なの?」
「多分、日本人ぽい」
夕立ちゃんは自分で答えた。
「……そうだよな日本の艦船だし」
その艦船という単語は母には理解不能らしい。
でもどうなるんだろう?
「やっぱり向こうの世界から、そのうちに『お迎え』とか来るのかな」
この言葉には兄がすぐに反応した
「メールチェックとかしといた方がいいのかな」
「え?わざわざメールでくるの」
……て言うか
「うちのメールアドレスなんか知らないでしょ」
「でも物語のセオリーとしてだいたいさ向こうは、こっち側の、いろんな事知ってたりするんだよね」
「そんなもんかな?」
「ある日突然、ウチの電話が鳴ってさ、向こうの世界から」
「やだ、やめてよ怖いよ」
「無言電話で、フフフとか?」
「嫌だなあ」
そんなことを言いながらも夕立ちゃんはニコニコしている。やっぱり可愛い。
萌えキャラかどうかは知らないけど生きている艦娘は貴重だ。しかも目の前にいる。不思議だ。
「どうなるか分からないけど。しばらくは家で面倒を見るしかないよね」
父親が言うと母親も頷いた
「そうね。家族が、もう一人増えるくらいは何とかなるかな」
「良いぞ」
にやけた顔で変な反応する兄。
「ダメ、お兄ちゃん変な気を起こさないでよ、艦娘は強いんだから」
私は釘を刺した。
母は言う。
「夕立ちゃんって何歳なの?」
「ワカラナイっぽい」
「そうか、向こうの世界では年齢なんて無いのか」
兄が知った風にいう。
「だろうな」
父親も同意する。何だこの二人は。
「それじゃ、学校に行く必要も無いのね」
お母さんまで……。
夕立ちゃんは言う。
「暫くここに居るなら、いろいろ、お手伝いできるっぽい。掃除とか
洗濯とか……料理は苦手だけど」
恥ずかしそうにうつむく夕立
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