肉の日メニュー争奪戦・2
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……中々精神集中等には向いた技術だと思ってな」
「成る程ね、いい心がけだと思うよ。司令官ご馳走さま」
ビーフストロガノフを平らげた響が、勘定をカウンターに置いてピョンと飛び降りる。その手にはストリチナヤのボトルがしっかりと握られている。
「私はもう少し、休みを満喫するよ」
大方ウォッカを楽しみながら、心地よい陽射しの下で昼寝でもするつもりなのだろう。なんとも贅沢な休日だ。
「さてと?そっちのお三方の注文は?」
「決まってるでしょ!肉の日メニューよ!」
ビーフストロガノフなのは響の食べているのを見ていたから解っているだろう。
「私はサフランライス!大盛りね」
「では……私はショートパスタで」
「ふむ……では私は揚げた芋にかけて貰おうか」
上から瑞鶴、翔鶴、グラーフの注文だ。はいよ、と応じながら盛り付けを進めていく。今日の注文としては白飯かサフランライスが大勢を占めており、次いでパスタ、じゃがいもを頼むのは少数派だ。カウンターに座る3人の会話も、その辺が話題に上っている。
「でもビーフストロガノフってご飯にも合うのね」
「元々は年老いた貴族が好物のステーキを食べる為に、柔らかくするのに煮込んだのが始まりとされているからな。味も濃いからご飯にも合うのだろう」
「博識だな、グラーフ。日本だと一品料理である事が多いが、本場ロシアじゃ主食と食べるのがポピュラーらしいからな」
俺が褒めるとグラーフの頬が紅潮している。そんな様子に生暖かい視線を送る鶴姉妹……なんだお前ら、雰囲気がおかしいぞ?
「だって……ねぇ?翔鶴姉」
「提督、グラーフさんはこの間の空母会で酔っていた時に提督さんへの愛を叫んでいたんですよ?」
「ぐっ!?……ゴホッ、ショーカク!それは秘密にしておいてくれと言ったじゃないか!」
「でも、今みたいなリアクションとられたらスケコマシの提督さんならバレバレだよ。ねぇ?」
そうやってキラーパスをえげつない角度で放ってくる瑞鶴。
「誰がスケコマシだ、誰が。……あー、まぁ言われ方には不満があるが、態度で何となくは察してたよ」
「あ、あうぅ……」
俺がそう言うと真っ赤になるグラーフ。色素の薄い色白な肌だから余計に赤面しているのが目立つ。
「錬度も95ともうすぐだしな。まだ指輪をやるわけにはいかんが、時期が来たら受け取ってくれるか?」
「なっ!?……こ、こんな場で言われるのは甚だ不服だが。けれどその申し出は有り難く受けようと思う」
何故か始まった公開プロポーズにキャーキャー騒ぎ出す鶴姉妹。いや、こうなった状況の原因はお前らだからな?
「これは加賀さんに報告して、お赤飯炊いてもらいましょう!」
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