第四十話 ならず者共の暗躍その十三
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「楽しみにしておいて下さい」
「それじゃあな」
「はい、しかし鍛冶元さんのツテにはいつも助けられますね」
「俺は顔が広いからな」
「大学の同期の人といい」
「ああ、組合とか団体とかな」
「あの国ともですし」
その世襲制の共産主義国家という有り得ない筈の国だ、尚日本の皇室には反対していてこの国はいいという人物は衝夫達もそうであるが他にも日本にいる。どういう頭の構造でそう主張しているのかは謎である。
「ツテがあって」
「あの国に行ったこともあるしな」
「あの船にも乗って」
「新潟から行ったな」
「いいですね、俺も行きたいですよ」
「今は行くのが大変だからな」
「政府の馬鹿共が邪魔して」
彼等から見ればそうなるのだ。
「それで、ですね」
「そうだよ、それでな」
「行きにくくなってますね」
「難儀な話だ」
「それであの国行った時に」
「面白かったぜ、ハイジャックの人達にも会えてな」
「ああ、いいですね」
その話にもだ、衝夫は憧れを見せて鍛冶元に話した。
「俺も会いたいですね」
「じゃあ今度な」
「金が出来たらですね」
「時間とな」
「そうしたらですね」
「行こうな」
「はい、一緒に」
衝夫は自分の酒をどんどん飲みながら応える、その飲み方はやはり品がない。
「楽しみましょう」
「あそこでもな」
「ええ、あと情報を手に入れたら」
「それでだな」
「あの生徒を脅してですよ」
「そうしろよ」
「ええ、確かに若い女教師もいいですが」
それでもという口調での言葉だった。
「十代の女の子ですね」
「小学生から高校生までな」
「肌が違いますからね」
「そうだな、世間も知らないからな」
「泣き寝入りさせることも簡単で」
「やりたい放題だ」
「だからいいんですよ」
下卑た笑みはそのままだった、そして。
二人は後は飲み続けた、その次の日。
衝夫は体育の授業に出ている優花を見てだ、好色そのものの笑みを浮かべた。そしてその衝夫を見てだった。
優花のクラスメイト達は顔を顰めさせてだ、こう話した。
「衝夫こっち見てない?」
「私達の誰か狙ってる?」
「またセクハラするの?」
「最悪ね」
「ねえ、優ちゃんもね」
クラスメイトの一人が優花に声をかけた。
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