37美汐、ゆうくん
[15/16]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
土の中にも潜れる美汐さんは、祐一クンの体に溶け込んで一体化し、諸星大二郎の生物都市みたいに二人は溶け始めた。
『ホラ、コレデモウハナレナイ、ズットイッショヨ、ウフフフフフフフフフフフフフフフフウフフフフフフフフフウフフフフ』
もうその時には、美汐の声が頭の中から響き、完全に取り憑かれてしまっていた。
「アンギャーーーーッ!」
(らめええええええええッ!)
2の場合。
「愛だ」
「え?」
「だから愛なんだ、俺達は別れても、離れ離れになっても、必ず巡りあって結ばれるんだ、これが運命なんだよ」
何か真琴が読んでいた小学生か中学生向けの恋愛漫画のようなセリフを口にして美汐を丸め込もうとした祐一クン。
だがそんな程度の付け焼き刃では、壊れきった美汐さんのトラウマ電流爆破デスマッチスイッチは解除できなかった。
「ナニイッテルノ、ユウクン」
結合を解いてゆらりと膝立ちになり、先ほど佐祐理お姉ちゃんに掴まれて両肩に痣が残っている場所を倍ぐらいの握力で上書きされる。
「ワタシガ、ユウクンとワカレテ一度デモ、たった一日でも幸せな時がアッタトデモ思うの?」
祐一も、もう鎖骨と肩甲骨が粉砕骨折させられるのは覚悟した。
美汐さんは地獄の亡者でも出せないようなエフェクトの掛かった恐ろしい声で鳴き、息が続かなくなると、息を吸い込みながらでも声を出したので、引き笑いならぬ引き悲鳴で叫んだ。
「クルシカッタ、ツラカッタ、スグニシンデシマイタカッタ、モウイキテイタクナカッタ、フデgファsgfsljgサ;ロg;アs;kcダkshカ」
もうその顔は、香里の怖い顔などはるかに超え、あの顔が安っぽいお化け屋敷のメイクかオバQに思えるような本物のホラー映画の、目と口から血を吐きながら喋るモンスターの最終形態を見た。
(イヤーーーーーーーーッ!)
「ソレナノニナンデ? ナンデ? ナンデ?ナンデ?ナンデナンデナンデナンデナンデナンデ?」
すっかり壊れてしまった美汐さんは、自分と一つになりたくないと言い出した相手を、ゆうくんと認識出来なくなって行った。
「ヤッパリ、ユウクンのニセモノ?」
不定形の粘菌みたいになった美汐さんは、人の形を失って行き、祐一クンの口とか耳とか鼻とか、穴という穴から侵入を始めた。
『ユ〜〜〜ク〜〜〜〜〜ン』
「ギャーーーーーース!」
(これも、らめええええええええっ!)
選択肢3の場合。
「ふざけんなよ美汐、お前はもう俺のい、嫁なん、だからな、俺のこと、え、言いつけに従えないのか?」
未来予知なのに歯の根が合わず、カミカミで命令したが、ヤンデレーな人は祐一の気弱さを察知して、従おうとしなかった。
『ドーシテイヤナノ? フタリデヒトツニナルノヨ? ソレガシゼンデショ? ユウクン』
完全に壊れた
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ