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ラインハルトを守ります!チート共には負けません!!
第七十七話 私たちはとことん抗って見せます!あなたの書いた筋書き(シナリオ)そして運命に逆らうことができるのならば!!
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れるのですか!?と言ったきり、シトレはしばらく言葉が出なかった。あまりにも突然、唐突すぎる言葉だ。
「俺は長くいすぎた。」
ブラッドレー大将はシトレに顔を向けた。その顔を見たシトレは内心衝撃を受けていた。日頃飄々としている統合作戦本部長の顔に疲労の色がにじみ出ているではないか。これが本来の姿なのか、とシトレはちらと思った。胸の内にため込んでいた疲労の澱が、今回の第十三艦隊の一件で一気に噴き出てきたのかもしれない。無数の案件の中の一つ、という風に受け止めるわけにはいかない。第十三艦隊はシトレ、そしてブラッドレー、それに上層部のごくわずかな人間にとっては特別な存在だったのである。
「閣下のお気持ちはどこにあるのでしょうな。」
シトレは思わずそう言わずにはいられなかった。
「第十三艦隊を、あの女共を、それだけではないものを、俺たちは守らなくちゃならん。それが俺の気持ちだ。だが、現実はそうはいかない。残念だがな。」
淡々と言っているが、それこそがブラッドレー大将の気持ちが平静ではないことを示している何よりの証拠だった。
「心配するな、しばらくはここにいてやる。だが、今回の件が片付けば俺は椅子を降りる。それまでに全部片を付ければいい話だろ。」
「・・・・・・・。」
「そうなればお前が後釜だ。」
「・・・・・・・。」
「感謝しろ。お前にわざわざ出世の道を開いてやるんだからな。」
冗談めかして最後はそう締めくくったが、二人の顔には一切の笑みは浮かんでこなかった。




同盟が提唱している「積極攻勢」の宣伝には壮大な裏があった。あくまで攻略の対象は「イゼルローン要塞」であり、それを「占領」ではなく「破壊」してしまおうというのである。その目的は帝国軍の大規模な侵攻を誘い「イーリス作戦」によって一気に帝国軍を壊滅させようというのであった。在野の人間は壮大な作戦だとの軍や関係者からの宣伝を聞き、一世一代の大作戦を想像して高揚するとともに、そのような時代に生まれ合わせたことを思って武者震いを禁じ得なかったのである。むろんそれはその作戦の内容を知らないからこそできる業であったが。


アーレ・ハイネセンは直径80キロの移動要塞であり、表面を耐ビーム用鏡面処理を施した超硬度鋼と結晶繊維とスーパーセラミックの四重複合装甲で覆っているが、特筆すべきは、表面を厚さ数キロにわたる流体金属で覆っていることである。これはイゼルローン要塞の流体金属層を軽くしのぐ規模であり、防御力は相当程度の向上が見込まれていた。約3万隻の艦艇を駐留させることができ、一時間に1万本のレーザー水爆ミサイルを生産することができる。35万床のベッドを保有する病院や学校、各種娯楽施設、水耕農園、牧場、養殖場など都市としての機能を十分に備え、約700万人の居住を可能としている。

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