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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第10話 猛攻
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活かしてくれなかったら、ここまで防衛することができたかは疑わしかった。
またシグーの死角である位置から発射されたミサイルが、シグーに迫る。
だが、ノーマのシグーは、それを回避し、更にハンスの機甲兵部隊の攻撃も回避し、ハンス達機甲兵部隊の前に立ち塞がった。
着地と同時にシグーがミサイルの発射された方向に重突撃機銃を叩き込む。
その右腕には、重突撃機銃が、左腕には、重斬刀が握られている。
「此処までなのか…」
ハンスがそう呟いた瞬間、彼の視界の片隅に小さく動く影が現れた。
シグーの背後の廃墟……
「…!」
そこには、損傷したディエゴ曹長のゴライアスが、ピルム対戦車誘導弾を構えていた。
「ハンス隊長…皆!」
先程彼は、ノーマのシグーによって部隊を壊滅させられたが、彼自身は、部下のゴライアスと廃墟が盾になる形で、難を逃れていたのであった。
このピルム対戦車誘導弾は、大西洋連邦のある軍事企業が開発した対戦車火器である。
この対戦車ミサイルが開発された頃は、大容量バッテリーの開発、モーターの高出力化、素材の改良による軽量化に伴う装甲車両の重装甲化が進んでいた時期であった。
戦車の装甲、防御力は、一種の最高点に達し、大口径のリニアガンでなければ、貫通不可能な程にまでなっていた。
各国は、敵の重装甲化した戦車に対抗する為、新型戦車、陸戦用MAの開発を進めると共に、遥かに安価な歩兵や機甲兵でも撃破できる様、携帯式対戦車火器の改良も進めていた。
このピルム対戦車誘導弾は、通常の機械化歩兵では1人での操作は難しかったが、機甲歩兵にとっては、片手で運用可能な火器である。
機甲歩兵や機械化歩兵の火力でも装甲車両を撃破できるようにと設計された特徴的な大型のタンデム式の成型炸薬弾頭は、ザフトの最新鋭機であるシグーを撃破することも可能な威力を持っていた。
タンデム成型炸薬弾頭を背後から受けて撃破されるシグーの姿をハンスと彼の部下は幻視した。
だが、そのシグーは、背中に眼があるかの如き素早さで反転、右腕の重斬刀を横薙ぎに振るった。
その一撃は、装着者のディエゴ曹長をゴライアスごと両断した。
叩き斬られたゴライアスは、投げ出され、空中で破片を撒き散らして爆発した。
周囲にオイルと血液が飛び散り、真横の灰色のビルの壁をグロテスクな色に染め上げた。
「ディエゴ!」
シグーは、再び、ハンスらの方に向き直った。
シグーの頭部の赤い単眼が彼らを睥睨する。
「くっ…」
ハンスは、血に染まった様なその赤い機械の眼を凝視した。
こいつには、勝てない…ザフト軍のモビルスーツや戦闘機、戦闘車両とこれまで交戦し、
部下と共にそれらをことごとくスクラップに変換してきた彼にとって、
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