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機動戦士ガンダム SEED C.E71 連合兵戦記(仮)
第4話 鉄巨人倒れる
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目の前には、爆薬を両手に抱えた歩兵がいた。

次の瞬間、其処から勢いよく青白い炎が、工兵用爆薬を投げ込もうとしていた歩兵を呑み込んだ。

誘爆した推進剤が爆発し、ウェルのジンは、倒れ込んだ姿勢のまま、青白い推進炎を吹き上げながら、アスファルトの剥落した道路を突進した。

ジンの進路上に存在する物体は、地球連合の歩兵だろうとガードレールの残骸だろうが、関係なしに引きつぶされた。

上空から見ると、背中に青白い炎を生やして地上を駆け抜ける姿は、まるで神話上の動物の様に見えた。
やがてジンは、進路上に立っていたビルに突っ込んで停止した。

直後、スラスターと燃料タンクに誘爆が及び、内側から半壊したジンの胴体を吹き飛ばした。

その際、コックピットを灼熱の猛火が瞬間的に舐めつくしたが、その数秒前に首の骨を折って即死していたウェルには関係のない話だった。

「ウェル!」

バルクは、天高く立ち上る黒煙を見据え、叫んだ。

バルクは、今この都市に立っているザフト兵は自分だけであることを強制的に認識させられた。

そして彼には部下の死を悼む暇すら与えられることは無かった。

彼のジンの四方のビルから対戦車ミサイルが放たれた。
ミサイルは、固体燃料の白煙を引いてバルクのジンに襲い掛かる。

バルクのジンは、重突撃機銃で迎撃する。
旧式の戦車砲に匹敵する威力を持つ砲弾が次々と吐き出される。

76o弾は、空中を飛ぶミサイルを次々と撃墜した。最後のミサイルが撃墜されたのと時を同じくして、周囲の廃墟の間からゴライアスが数機出現した。

バルクのジンを包囲する格好で各方向から出現したゴライアスは、土煙を巻き上げて突撃した。
ハンスの着用するゴライアスは、ローラーダッシュを活用して接近すると胸部めがけて右手に保持したグレネードランチャーを放った。

他のゴライアスもそれに続く。一斉にグレネードが四方からジンに向かって撃ち込まれる。
グレネード弾が次々と着弾し、ジンのコックピットを揺さぶった。

戦車やモビルアーマーのリニアガンにも耐えるジンにとってそれらの攻撃は大した威力ではなかった。

しかし、その頭脳と中枢神経に相当する存在であるパイロット…バルク・ラースンに対しては衝撃を与えることが可能だった。
無論転倒や墜落時も考慮されているジンのコックピットの衝撃吸収機能はパイロットを気絶させるほどの衝撃をパイロットに伝えることは無かった。

だが、それでもパイロットにダメージを与える程度には衝撃が伝達されていた。かまわず彼は、ジンを前進させた。

「こいつ!」
バルクのジンが足元を駆け巡る金属の小人を射殺すべく重突撃機銃を向ける。
その銃口の先には、ハンスのゴライアスがいた。76o弾は、歩兵の携行
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