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真剣で私に恋しなさい!S〜それでも世界は回ってる〜
44部分:第四十話 予言と歓迎会
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っちの方が戦えるからいいな」


そう言って不敵にモモは笑った。自身の欲求をこちらに向けれたから気分がいいんだろう。ちなみに周囲には観客の姿はない。従者部隊の桐山が人払いをしてたからな。


(天城悠里……彼が0か……)


何を考えてるかわ知らないが、アイツはマープルから一番の信頼がある男だ。用心するのに超したことはないだろうな。
そこへ入れ替わるようにヒュームさんがやってくる。


「遠くから見ていた。実に楽しそうに戦うんだなお前は」

「実に満足です。ヒュームさんとも戦ってみたいなぁ」


……おいおいモモ、それって今のお前には自殺行為だぞ?勝てねぇって、絶対。


「ぐはっはっはっはっ!!!笑わせるなよ小娘!」

「む」

「予言をしといてやる。いずれお前は負ける。九鬼の用意した、ある相手によってな!」

「私の対戦相手?」

(九鬼の用意した相手……?)

「冬までにお前が無敗だったら喜んで相手してやろう」


そう言ってモモはワクワクした顔になる。しかし、ヒュームさんはモモの強さは瞬間回復にあると指摘して、更には弱点も知っていると言ってその場から姿を消した。


「面白いじゃないか。私が負けると予言していくとはな」


モモは先程とは違う笑みを浮かべる。血に飢えた獣と言うか……


「悪いが少しトレーニングをしてくる。じゃあな、悠里」

「おう、また後で」


そう言って俺はモモと別れた。
歩きながら俺は、さっきのヒュームさんの言葉の意味を考えていた。モモの弱点なら俺や鉄爺達なら全員知っている。なによりモモは瞬間回復に頼りすぎている傾向がある。元々、あの技はモモ自身が長い時間戦いたいから身に付けた物だ。それに今のモモは依存してしまい、戦いに明け暮れている。


「あれじゃあ、いつか壊れるっつの……」


ハァ……と俺は溜め息を吐く。以前から言ってはきたが、モモは無敗ということに変な自信を付けてしまって、聞く耳を持たないのが現状だ。
モモは確かに強いが、精神面は強くない。なら対戦相手から負けた方がいいが、そんなに都合のいい相手はいないだろう。


「あ……そういえば、燕ちゃんになんで九鬼にいたのか聞いてないじゃん」


昨日燕ちゃんに会ったってことは、その前の日に燕ちゃんは川神に来ていたということだ。……ともあれ、今日はもういいか。
なんてことを考えながら、俺は学校に戻った。





6月12日(金)

翌日、俺達は義経達の歓迎会兼誕生会の準備をしていた。
その最中に大きな花瓶を運んだりと色々驚く事はあったが、冬馬や3年の京極先輩の手助けもあり、準備は滞りなく終わった。
そして、いよいよ歓迎会を始めよう
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