第五話「MSvsIS」
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けど……」
明沙は目頭を熱くさせると、涙を浮かべてこう話した。
「政府の人達に殺されちゃった……」
「……!」
まさか、彼女の父親は事故死ではなく殺害されていたのか? 彼女の父親の死因は交通事故と聞かされていたのだが、実は違っていたのか……?
「当時、日本政府はISを主張するためにISに反感を持つ人達を次々に捕まえたり、ある人は大金を差しだして口止めしたりしたんだよ……アムロだって同じようなことされたでしょ?」
「ああ……」
僕は頷いた。僕の場合は母さんが死んでも慰謝料を払ったり捕まえに来る政府の人間はいなかった。まるで、母さんの存在は忘れられたかのように……
「だからね……私も同じISのせいで家族が失われた気持ちは痛いぐらいにわかるんだよ?」
「……」
「私、絶対にISを許すことはできないの。きっと、アレがあるせいで私以外の他の皆が今でも苦しんでいると思う……」
「……そう」
僕はどう言えばいいのかわからず、とりあえず一言で済ませた。
でも、これで僕は少し決心した気持ちになったと思う。絶対に勝たないといけないというプレッシャーとは少し違う。絶対に勝たなくてはいけないという信念が芽生えた。
それからというもの、僕は決闘に向けて皆と訓練に励むようになった。
絶対に勝たなくちゃ……明沙のためにも。
そして、僕は決闘前日に学食でセシリアの前へ歩み寄った。
「決闘の相手は……僕だ」
「あら?」
しかし、セシリアと周囲の女子たちはあの時のようにドッと笑い出した。
「アムロ君本気なの?」
「素人と代表候補性とじゃ格が違い過ぎるよ?」
「本当に、今からでも遅くないよ? セシリアさんに謝りなよ?」
「そうだよ、大体アムロ君は代表候補性舐めすぎだよ?」
「……うるさい! 男がやると言ったらやるんだ!!」
初めて女子に対して怒鳴った。僕の怒号を聞いて、周囲は静まり返った。
「そのお言葉、二言はなくて?」
と、セシリアは僕を見て微笑んだ。
「本気だ……!」
「なら、ハンデを付けて差し上げますわ?」
「……?」
彼女は僕へそう訪ねに来た。僕は首をかしげる。
「あなたはガンダムの所有者とはいえ、まだ初心者ですのよ? でしたら、代表候補生であるわたくしがハンデを付けなくてはあまりにも哀れかと思いまして……」
「な、何だと……?」
僕は舐められている事に気づき、怒ろうとするが隣で後から来た明沙がそんな僕の肩に手を添えて怒りを鎮めようとする。
「アムロ、落ち着いて?」
明沙の呼び止めに、僕はどうにか落ち着きを取り戻す。
「……で、どういうハンデだよ?」
僕はどうにか抑え、彼女のハンデの内容を聞いた。
「織斑一夏というもう一人の素人がいらっしゃるでしょ? 彼もガンダムを持っていると聞きましたので、二対一で戦って
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